vol.38


陽の光がこの世を照らしている間に
何ができるかが、自分にとって
一番大切だなと実感した旅であった 。


 夏目漱石の『こころ』を読んで心が震えた。
 何回か同じ本を読み返したほうが良いかもと、ガーッとたくさん本を読むより良いかもと、ふと思ったとたんに雨が降ってきた。雨よ降れ! 雨の向こう側には葉月の陽射しがよく見える。
 Viewsicの番組から「ふみおさん、ぶらぶらと十和田湖のほうまで旅に出ませんか?」とのお誘いがあり、二つ返事で旅決定。司会のジョージ・ウィリアムスと一緒に、風力発電の風車があるところまでいくという。“エコロジー”という深い、深い言葉のもと、風力発電とは一体どういうものかを見に行ってきた。
 新幹線でグアッと秋田のほうまで行き、そこから単線に乗り換えたのだが、その線路際に広がる景色が素晴らしかった。新緑間もない季節で、木々の葉は黄緑色に近いそのからだを風に任せてワサワサとなびかせている。水田地帯では、窓を開ければ電車の音すら霞むくらいに蛙たちが大合唱している。こんな場所がまだあるんだなぁと、カメラが廻っていることもしばし忘れて景色を楽しんだ。民家の軒先には薪が積み重ねられていて、切り倒された木を燃料として皆さん使っているのだろうなとか、小さな畑では野菜が栽培されていて、自分たちが食べるくらいは収穫ができるのだろうなとか、考えていた。
 “エコロジー”という旗のもとには、エネルギー問題や動物保護、それこそいろいろな事柄が納まっているが、環境をより良くするために実際に個人が継続してできることは、限られてくるだろう。大切なのは、現実に打ちひしがれたり、ジレンマに陥った時に、諦めずに環境をより良いものにする意識を持ち続けることだと思う。眉間にしわを寄せながら机上で激論を交わすより、楽しく野菜を作って楽しく食すほうが、環境に良いのではないか? ライヴで大量 に電力を使う仕事をしている立場上、夜はなるべく早く寝て電力消費を押さえたいものである。
 陽は昇り、そして陽は沈む。陽の光がこの世を照らしている間に何ができるかが、自分にとって一番大切だなと実感した旅であった。


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※SAへのバンド出演依頼 、タイセイ(SA)含むBoo Zee LoungeクルーへのDJ出演依頼、 ブライアン・バートンルイスへのDJまたはMC出演依頼は、familiesまで。   ※本サイトへのご意見、ご感想はこちらへ