vol.28


 
半袖シャツと濡れた腕。湿りに湿った季節の中で、今日も額の汗拭う。
 『emotivation tour vol.2』も無事に終了。息抜きがてら、新しく入手したテントでも持って外へ遊びにいこうと思っていたのだが、台風来日により中止。カヤックもクライミングも一切せずに家で本を読んでいる自分。気分転換にお祭りへ行こうかなと、白い肌に白いシャツを着て外出した。行く先は、靖国神社で行なわれている“みたま祭り”。神楽坂近辺で生まれ育った自分にとって“祭り=みたま祭り”くらいに毎年、家族と親戚 の皆で遊びに行っていた祭りだ。諸々の理由で20年近くも遠ざかっていたのだが、36才の夏、久々に足を伸ばした。人混みがまるでだめ人間なので不安もあったが、「極上」と心から楽しむ自分に一安心。
 暗闇を彩る提灯。大汗かきながら働くテキ屋たち。浴衣姿の男に女。焼きトウモロコシ持った子供。どれをとっても昔と変わらぬ 東京の祭りがそこにあり、その片隅に自分がいた。子供の時、期待に胸を膨らませて入った見せ物小屋をがっかりして出てきたり、あんず飴をシロップに二度漬けしてテキ屋の兄さんに叱られたりと、祭りに行くといろんなことがあった。
 ハッカパイプやわた菓子を満喫していたら、空から雨が落ちてきたので屋台裏のテントに避難し、しばしのビールタイムとなった。すると「まったく、コレくらいの雨で踊り止められちゃ困るのよねぇ…」と、浴衣姿で50過ぎの女性がビール片手に我々の横に座った。お互い見ず知らずの仲だが、ビールを酌み交わし大いに笑う。“縁”と書いて“ゆかり”と読むので、心の中で彼女を“ゆかりさん”と命名。
 ゆかりさんが去った頃には雨も上がり、程よく湿った砂利道をゆっくりと歩いた。今度来るときはスニーカーではなく、下駄 か草履で来よう。浴衣もどこかにあったはずだなぁ。
 世界各国の人、料理が渾然一体となって“みたま祭り”が形成されていたのは愉快だった。チヂミも天津甘栗もシシカバブもフライドチキンもクレープも、皆、祭りを盛り上げていたし美味かったのだ。世界を腹の中に入れて21世紀のみたま祭りを楽しんだ。
 蒸し暑い東京の夜と祭囃子。また騒々しい季節が巡ってくる。





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