vol.25


 
仰向けに寝転がれば吸い込まれそうな蒼空が広がり、うつ伏せに寝転がれば蕗の薹が顔を出している。「天気が良いので山へ行こう!」という誰かの一言で、山へ入ることが決定。ゴンドラとリフトを乗り継いで、スキー場頂上標高1850メートル地点まで行き、そこから約500メートル自分たちの足で登り、山頂から滑り降りてくるという予定である。
 流行歌がガンガンに流れるゲレンデを後に登り始めると10分ほどで、雪崩れる危険のある沢筋を横切る。それを過ぎるとだんだん音が無くなり、自分たち以外に誰もいない雪山を、静寂の中を、サクサクと音を立てて登っていくことになる。誰もしゃべらないが誰しも楽しげで、空を見上げたり周りの山々を見渡したりしながら歩いていく。
 春の陽射しが容赦なく照りつけ、雪山にいるとは思えないくらい汗が出てくるので半袖になり、ふと気づけば、海でカヤックをする格好に近くなってきている。カヤックをする格好に近いということは、ライヴの時の格好に近いということだ。
 不思議な感じがする。格好もそうだが、音楽・バンドもカヤックも、スキーもクライミングも“楽しい!気持良い!”ことを追求する方法・手段という点では同じだ。それぞれ遊ぶフィールドは違うが、ハードコアの部分では繋がっていて、それを実感する瞬間が最高なのだよなぁ。
 あれこれ考えているうちに山頂に着き、360°開けた眺望に思わず「おおっ!」と声が出た。遠くに見える日本海に、いつの日か今足元を覆っている雪が流れ込み、その雪解け水が流れ込んだ海でカヤックを漕ぐ。これこそ“ROCK”だ! 自分の心の奥底、ハードコアの部分にあるものに正直に進む。音楽家もサラリーマンも職無し男も、皆、二度と繰り返されることのないその瞬間を、目前に広がるこの美しい雪を、思う存分に楽しんでいる。粉雪とだけ向き合って過ぎる“ROCK”な時間と空気の中に身を置き、胸一杯に春の空気を吸い込むのだ。毎日“ROCK”して生きたいと思う。
 さて、ツアーまであと1ヶ月!





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※SAへのバンド出演依頼 、タイセイ(SA)含むBoo Zee LoungeクルーへのDJ出演依頼、 ブライアン・バートンルイスへのDJまたはMC出演依頼は、familiesまで。   ※本サイトへのご意見、ご感想はこちらへ