vol.18


 
久しぶりに自然の岩場でのクライミングを楽しんできた。
 人工壁を登るときには、赤、青、黄色、ピンクと色とりどりのホールドを頼りに登っていくわけだが、自然の岩場は色分けなど当然のごとくされていない。どこをどう持ったらば良いのかを、自分で探りながらのクライミングになるわけだ。当然、僕のような初級者は頭の中に「???」と「?」を抱えながらの登攀になる。迷いながらのクライミングは必要以上の力を使うわけで、どうにも上手く登れない。
 だいたい、フリークライミングというものは、最小限の装備で、必要最低限の力で登ることが目的であるという。僕のように「グーッ・・・」とか「キューッ・・」とか、体を震わせながら登るのではなく、大空を飛び交う鷲のように優雅に、花から花へと空気の中を舞うアゲハチョウのように軽やかに登るモノなのである。
 そんなに難しいルートではなかったのだが、どこをどう掴んで良いのか、どこに足を置いて登っていけば良いのかわからずに、僕は大汗をかき、上腕はパンパンに腫れ上がった。ただ、途中で何回もロープにぶら下がりながら到達した終了点から見た空は、ひたすら蒼く広がっていた。
 上手に登れた人、岩に跳ね返された人、いろいろといたけれども、駐車場までの帰り道は皆、大声で笑いながら歩いた。川を渡り、草むらをかき分け、木の枝で意味もなく草を叩きながら歩いた。
 岩を登ったというよりも、一日中岩にしがみついていた僕たちは、村営の快適な風呂に入り、緊張と登攀で固まった心身をほぐした。湯気で曇ったガラス窓の向こう側には、都会よりも一足早い秋の空気が流れ、ひどく暑かった夏が懐かしく感じられた。風呂上がりの火照った顔の我々は、缶 ビールで乾杯をし、薄暗くなってきた空を見上げた。岩を登るだけではなく、風呂に入って乾杯し、しょうもない話をして盛り上がる。その時間すべてが“ロッククライミング”である。いつでもどこでも、ロックは良いなぁ、ロックは・・・。





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