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イトウフミオ/ケムリのヴォーカル兼リーダー。高校時代をアメリカで過ごす。95年にケムリを結成。“PMA(Positive Mental Attitude)=肯定的精神姿勢”をポリシーに活躍中!

●vol.27●

 梅雨入り前。乾燥した風、温かな気候、そして鮮やかな緑。地球以外の星には行ったこともないので何とも言えないが、写 真などで見るどの星よりも地球は美しいと思う。地球上のすべての場所に行ったこともないが、その中でも日本という国は特に好みの美しさだ。山の大きさ、木の種類、川の流れ方、海岸線。そういった自然の中で迎える朝、昼、夜と、それぞれの時間の楽しみ方も好きだ。それぞれの地方で育まれていった独自の文化や価値観も、自然観に基づいてのものが多いと思う。
 この国が「文化」として持ち合わせている(もしくは持っていた)風習などに“うんうん、良いなぁ”と頷くようになったのも近年で、それまでの自分は“アメリカ万歳、しょぼいぞ日本”と、米国(というか欧米諸国)に対して劣等感と米国文化に対する純粋な憧れに心支配され、日本文化など地味で面 白みのないものと位置づけていた。映画、音楽、洋服、食事、好きなモノは全部アメリカから流れ込んできていて、日本人ということに誇りを持つだけに充分な日本の文化的要素も知らず、見当たらず、日本や日本人が好きじゃなかったのである。つじつまのあわない奇妙な話だが、本当のことである。無知ゆえの苦悩。そんなところだ。
 ワールドカップサッカー。サッカー大好き。超高水準、かつ真剣勝負を観られるのは幸運なことだ。サッカーが(サッカーのみならず他のスポーツもだが)、欧米列国の植民地政策の一端として世界に広まった歴史を持つとしても、己が肉体を限界まで鍛え上げ、「国」と「個」そしてその他諸々を背中に背負って己が誇りと真剣に相対している選手たちを観ていると、胸を突かれる思いで一杯になる。白線の引かれた蒼い芝生という簡素な舞台で、半袖・短パンで汗を流す選手たち。
 「プロフェッショナル」と「一流」。音楽家もサッカー選手も、滲み出る真剣さで観客を感動させられる人間たちが極上。
 宇宙から観た地球は、さぞサッカーボールのように真ん丸だろうなぁ。



●イトウ フミオ『開拓記』VOL.1〜12が読みたい方は、ヤマハミュージックメディア刊『Band style』'00年5月号〜'01年4月号をご参照ください。バックナンバーの入手方法は、http://www.ymm.co.jp/magazine/bandstyle/backnumber.html まで!