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イトウフミオ/ケムリのヴォーカル兼リーダー。高校時代をアメリカで過ごす。95年にケムリを結成。“PMA(Positive Mental Attitude)=肯定的精神姿勢”をポリシーに活躍中!

●vol.15●

 沖縄の座間味島へ、テレビの取材で行ってきた。
 有名カメラマンで作家でもある、ハービー山口氏との野外ロケトーク番組なのだが、これが相当面 白かった。企画としては、僕、イトウフミオの知られていない部分や、そういった部分が、どういう過程を経て育っていったかを楽しく語り合うといった、露骨なアルバムプロモーション番組とは一線を画した内容だった。
 初日は座間味島へ渡り、そこからカヤックで無人島へ行くのである。無人島での撮影。今、僕がKemuriというバンドで詩をうたう理由や、これからどこへ進んでいきたいか、なんでこのケラマ諸島の海へ来てカヤックを漕ぐようになったのか、そして、自然の中で何を学んだかを話した。今までのどのインタビューよりも、考えていることを素直に話すことができたのには、自分でも驚いた。
 そのあとでハービー氏との写真撮影があったが、それも本当にリラックスしてすることができた。柔らかく優しげな空気漂う夜道をスタッフの方たちと散歩し、部屋に帰った僕は、まるで幼稚園児のようにベッドに倒れ込んだ。
 2日目は沖縄本島へ戻り、金武、那覇、北谷などで撮影をした。カメラを前に歩く僕たちを、沖縄のオジイやオバア、いたずら小僧たちが、物珍しげに眺めていた。この日、僕は、アメリカへ留学していたときのこと、子供のころのこと、Kemuriを始めてアメリカへ渡ったときのLA時代の自分のことなどを話した。やはり昔の話はあまり得意ではない、というか、誇れる話など何もないので、心に汗をかきながらの進行となった。
 それに加えて、これまた久しぶりにクライミングなどやってしまって、楽しかったのである。“人間は環境の動物である”という誰かの言葉を思い出し、うなづき、僕はどこへ行きたいのかをもう一人の自分に尋ねられ、困ってしまった。
 この番組を見て“なんだ、遊んでるだけじゃんか!”と、意地悪を言うなかれ。次のアルバム録音まで、あと一週間、季節も僕も移り変わっていくのである。




●イトウ フミオ『開拓記』VOL.1〜12が読みたい方は、ヤマハミュージックメディア刊『Band style』'00年5月号〜'01年4月号をご参照ください。バックナンバーの入手方法は、http://www.ymm.co.jp/magazine/bandstyle/backnumber.html まで!