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イトウフミオ/ケムリのヴォーカル兼リーダー。高校時代をアメリカで過ごす。95年にケムリを結成。“PMA(Positive Mental Attitude)=肯定的精神姿勢”をポリシーに活躍中!

●vol.14●


 テレマークスキーを始めて2シーズン目に突入し、調子に乗って『バックカントリースキーラリー』というレースに参加した。妙高高原にある“前山”という標高1,932メートルの山に自分で登って、5つのチェックポイントを通 過しながら滑り降りてくるタイムを競う、という趣旨のレースである。1チーム3人で、基本的に男女混合。我がチームは、ウチのカミさん、プロテレマーカー&プロガイドの久我博道、そして僕という構成。スタートしてから3時間30分以内でゴールできないと失格という、超初心者の我々夫婦にとって結構ギリギリの線である。気の良い久我くんは「ゆっくり行きましょう」とニコニコ、我々は緊張でピクピクである。
 滑る雪に苦戦しながらも、1時間30分で頂上に到着。が、問題はこの先の下りである。圧雪されていない、斜度のある斜面 を滑ってこなければならない。この時期としては最高の雪質の中、ブナの木々の間を久我くんが華麗なターンで先行し、我々は約3倍の時間をかけて滑り(転び)降りていく。この雪が最高だった。フカフカで軽くて、まるで浮いているような感じである。“良い感じ”とは、こんな感じだろう。しかし、テケテケの僕には「イエッ!」というのは一瞬で、次の瞬間には雪の中に顔を埋めていた。それでも何か楽しくて、笑ってしまった。ゴーグルに付いた雪を取ると、久我くんもカミさんも笑っている。まるで、ライヴの最中のようである。皆、笑っていた。
 キツイ、キツイ、最後の登りを終えると、さっきとは正反対のカチカチに固いバーンのゲレンデに出た。ここを滑り降りるとゴールである。「タイム、3時間24分です」。な、なんと時間内ゴール! あまりの嬉しさに、何を勘違いしたのか「ゴ、ゴォーーーーーール!」と心の中で叫んだ。もちろんこれは、久我くんと一緒だったからこその時間であることは言うまでもない。
 雪山で遊びたい人は『Sarc(http://www.telemarkers.com)』の久我くんまでどうぞ。



●イトウ フミオ『開拓記』VOL.1〜12が読みたい方は、ヤマハミュージックメディア刊『Band style』'00年5月号〜'01年4月号をご参照ください。バックナンバーの入手方法は、http://www.ymm.co.jp/magazine/bandstyle/backnumber.html まで!