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イトウフミオ/ケムリのヴォーカル兼リーダー。高校時代をアメリカで過ごす。95年にケムリを結成。“PMA(Positive Mental Attitude)=肯定的精神姿勢”をポリシーに活躍中!

●vol.13●

 ツアーも無事に終了したことだし、遊びまくるのである。
 今年は雪も多いし、当然、雪遊びが盛り上がるわけで、北海道はニセコへ、スキー&スノーボードをやりに行ってきた。去年の自分に比べれば、急斜面 と言われる場所もずいぶんと滑れるようになったし、転ぶ回数もグンと減った。と、いうのはオン・ピステ(圧雪された雪面 )での話であり、オフ・ピステ(圧雪されていない雪面)に出ると相変わらずテケテケの僕は、嫌というほど、世界的に有名なニセコのパウダースノーの中にこの身を投げ出し、そして埋もれてきた。何でだろうか?
 こうまで滑れないとは思っていなかったわけである。「オンもオフも変わんないよ! 基本は同じよ!」と甘く見ていたのだが、もう、ちょっとスピードが出るとコントロールが効かなくなって転んでしまうのである。これでは、パウダー用に長い板に変えた甲斐がないというものである。「パウダーを滑るときは、ちょっと後ろ荷重気味で滑って!」という親切な友人の言葉も耳に入らず、ぼてぼてと転びまくる。何が大変かというと、あまりにも雪がフカフカなため、手を突っ張ろうとしてもずぶずぶと埋もれていってしまい、踏ん張りが効かずに起き上がれないのである。
 へとへとになりながらも気合いで滑り、ターンを何回か決めて調子が出てきたと思っていたらば、段差に引っ掛かってノーズ(板の前の部分)が雪面 に突き刺さり、そのまま頭のてっぺんを中心に縦に360°回転し、顔から着地した。その瞬間に、口の中に粉雪がどっと入ってきて息ができなくなり、雪をしこたま飲み込んだ。しかし、そんなことでめげてはいられないのである。雪で真っ白になった帽子とゴーグルを拾い上げ、僕は何事もなかったかのように滑り出した。真っ白になりながらも平静を装う僕を見て、皆、笑っていた。
 なかなか、一筋縄ではいかないものだ。バックカントリーで軽快なターンを決める日を夢見て、今日も滑りまくっている。




●イトウ フミオ『開拓記』VOL.1〜12が読みたい方は、ヤマハミュージックメディア刊『Band style』'00年5月号〜'01年4月号をご参照ください。バックナンバーの入手方法は、http://www.ymm.co.jp/magazine/bandstyle/backnumber.html まで!