●真さんの考える“現在”と“未来”とは?
「う〜ん。未来は誰にもわからないですからね(笑)。でも、僕は、いろいろなことができるアーティストになりたいです」
●音楽以外の分野でも、ということですか?
「いや、音楽で、です。当然、プレイヤーとしてもスゴイ人になりたいんですけど、自分で思ったことをすぐにカタチにできる人になりたいです。頭の中に浮かぶ絵をカタチにしたいんです。PVも、ある意味、曲の一環じゃないですか。そういうものに対しても、もっといろいろやりたいなって」
●それが、真さんが目指しているアーティスト像だったとして、今、それが何パーセントぐらい達成されていると思いますか?
「そうですね。実際にカタチにすることは、今の僕にもできるんですけど、それが自分の目指しているレベルには、到底届いていないんですよ。だから、そうだな…30%ぐらいかな(笑)」
●でも、確実に近づいている実感はあるんですよね。
「そうですね。だから、自分の思っている絵を、カタチにするための手法を、いろいろやってみているような感じです」


●今回の“群雄割拠”ツアーで、3回目のワンマンツアーになるわけですが。
「そうですね。3回目を迎えました。緊張してます(笑)」
●今回は、ミニアルバム発売後ということもあって、これまでのツアーと比べても、いろいろ変化があるようですね。
「今までのツアーは、けっこう楽曲も同じだったんですよ。それが大幅に変わるので、それは楽しみですね。もちろん、今までの曲も入ってるんですけど、ミニアルバムの曲と、シングルのカップリングと、そのほかのシークレットが入ってきますから」
●そうなると、セットリストの構成自体、かなり変化しますよね。そうなると、ライヴ全体の流れや雰囲気も変わるだろうし。
「そうですね。本当だったら、毎回そういうツアーができると良いんですけど、僕らミニアルバムが多いので、曲数的にそうもいかないじゃないですか。今回は、初めてそういう変化のあるライヴをやるので、本当にすごく楽しみなんです」
●お客さんの反応も楽しみですね。
「楽しみです、はい。新しい曲たちが、どうなるのかなと」
●完成したばかりの曲は、真さんにとって、ピーピーと鳴いている“カワイイ子供たち”ですから(笑)。
「もう(笑)。ピーピー言ってるのが、いつの間にかトサカが出てくるんですよね(笑)」



●これは、先日リリースしたミニアルバムのタイトルですね。
「これまで、作品というものを軽く見ていたワケじゃないんですけど、納得していない部分っていうのはあったんです。一つ一つは良いモノができたと思ってるんですけど、やっぱりどこか納得のいかない部分が、どうしてもあった。で、今回作るときに、“何を納得してなかったんだろう”ということを考えたんです。そうしたら、まぁ、一つ答えが出たんですよ」
●どんな部分だったんですか?
「単純に、実力が足りないんだなと。でも、それを今すぐどうこうしようって言ってもしょうがない。やろうと思えば、いろいろなことはできるんですよ。でも、“これが今できることなんだな”と思ったんです。どんなに背伸びしても、本当に良いモノにはならないんだなということが、良くわかったというか。だったら、納得するしかないじゃないですか。やっぱり、認めたくないんですよね。実力がないとかそういう部分って。でも、それを覆い隠したところで、何の進歩もない。ならば、“今できるベストがこれなんだ”ということを、自分に納得させなければいけないんですよ。これは、バンドにとっても大事なことだと思うから、このキーワードを挙げたんです」
●じゃあ、今回の『煌』では、そういう部分も納得してできた作品なんですよね?
「もし、コレを聴いて“ヘタクソだ!”という人がいたら、ヘタクソなんですよ、その人にとっては。ただ、“今、僕らにはコレしかできないから”と言いたい。それは、自分の中で納得できてるんです。僕らは今、こういうバンドであるわけだから。そんな人たちも含めて、今の僕らの一番のものを、たくさんの人に聴いてほしいと思いますね」


●これは4月にリリースされた、シングルのタイトル曲とカップリングですね。「夢イズル地」は『煌』にも入っていますが。
「初めてのシングルですね、はい。単純に、シングルっていうものが初めてで、僕らが作った何曲もある中から、“コレです!”って出すのは、けっこう度胸がいるものなんですよ(笑)。“コレも、コレも良いんだよ”っていうのがある中で、“でも、コレなんです!”と出すわけじゃないですか。まぁ、タイトル曲としては、『夢イズル地』なんだけど、『戯園』っていう曲も、当然カグラなんですよ」
●対照的な曲ですよね。イメージだけで言えば、「夢イズル地」は“陽”、「戯園」は“陰”という感じで。
「一つの立体があるとするじゃないですか。『夢イズル地』のある一部分だけじゃない、『戯園』もこの中の一部分なんです。僕、単純にポップなバンドだと思われたくないんですよ。今までもそうだったし、売れたいから急にポップな感じにするということも、絶対にイヤだし」
●核の部分にある、ある意味、もっともカグラらしい部分を無くしたくないということですか?
「無くしたくない、というよりも、無くならないものかな。無くすのは簡単だと思うんですよ。キレイなコード進行を作ればいいワケですから」
●どちらもすごくカグラらしくて、良いなと思うんですけど、個人的には「戯園」が好みなんです。ライヴで聴くのが楽しみかなと(笑)。
「ライヴではどうなることやら、という感じなんですけど(笑)。録ってるときも、スゴかったですよ。僕、ヴォーカルジャッジとかやってたんですけど、一志に“どう?”って聞かれて、“え? え? ど、どうなの!?”みたいな(笑)」
●“どう?”とは(笑)?
「“どう?”って言われても、この曲に関しては、本人にしかわからないな〜、という話になって(笑)」
●一志さん的には、どうだったんですか?
「狙ってやってるんだと思うんですけど(笑)。『煌』と合わせてみても、全曲、歌い方が違うんですよ。それが、本人も楽しかったみたいで。ジャッジしてても、面 白かったです」
●歌い方もそうですけど、『煌』は楽曲的にもいろいろなバリエーションに富んでますよね。それは、これまでにない感じだなぁ、と思ったんですが。
「ある程度は、計算してやってる部分もあるんですけど…。まぁ、そう思ってもらえたら嬉しいです。」



●最後のキーワードですね。レコーディングの話は、これまでの話の中にも、いろいろ出てきましたが…。
「レコーディングって、いろいろな意味で、“生まれる瞬間”なんです。僕は、いろいろやることも多くて、大変だったりするんですけどね(笑)。でも、レコーディングが、僕が音楽をやっていく上で、重要な部分なんですよ。100%の円があるとしたら、半分の50%は占めていると思います。泣いても笑っても、そこでできたモノが、僕らの作品だから。そこが難しいところでもあるんですけど。でも、そこから“これが僕らの作品です”と世に出ていくのが、すごく不思議な感覚ですよね。昔、僕が人の音源を聴いていたときって、“絶対に間違いはないし、正確で、完成されたもの”だと、思ってたんです。でも、それを作るのは大変なんですよね。それはよくわかりました(笑)。ただ、“完成されている必要はないんだな”とも思いますね」
●前の話でも少し出ましたが、音源は、ライヴで演奏していくことによって完成されていく、ということにつながるんですか?
「そうですね。本当は音源ができた時点で完成なんだけど、僕らのモノは違う。できたばかりの音源は、右も左もわからない、赤ちゃんと一緒なんです。それが、ライヴをやることで、それぞれ役割を持つんですよ」
●そういう中には、予想外に育つ曲もあるんじゃないですか?
「そうですね〜。スクスク育っちゃうような曲もあります(笑)。反対に、レコーディングで良いなと思っても、“育たないな〜”というモノもありますね」
●予想がつかない部分も多いですから、難しいですね。
「まあ、結局、どの楽曲も、たとえ僕が原曲を作ったとしても、それはカグラというバンドの中では完成形ではないんですよ。レコーディングをして、初めて最初の完成形になる。そんな、大切な場所ですね。これからも、当然クオリティは上がっていくと思うんですけど、僕にとっての、レコーディングという場所の意味は、変わらないと思います」