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●真さんが、ギターを始めたきっかけは何だったんですか?
「やっぱり、バンドですよね。カッコ良いバンドがいたんです。誰とは言わないけど(笑)。始めたのは、中学3年のころだったんですけど、まわりもみんな、ギターがどうのこうのって雑誌を見ながら選んでたんですよ。“買えね〜だろっ!”とか思うんですけど(笑)。そのときは、ギターにぜんぜん興味がなかったんですよね」
●音楽にもですか?
「いや、音楽には興味があったんですけど。ロックとか、ギターという楽器には興味がなくて。鍵盤(キーボード)のほうが興味がありました」
●昔から、キーボードをやったりしていたんですか?
「いや、ぜんぜん。僕は音楽家族でもない、普通の家庭に育ったんで、当然、ギターとかキーボードとか、音楽に関する勉強は、まったくしたことがなかったんですよ。でも、キーボードで音楽を作れたら面
白いなと。キーボードって、打ち込みとか、いろいろ機能も付いてるじゃないですか。それで、キーボードを買って、音楽を始めたんですけど、あとで、“どうやらまわりはみんなギターだぞ”っていうことに気づいてしまったんですけど(笑)。
ちょうど、そのころ家に来てた友達が、“これがカッコイイんだよ”って、曲を流したことがあって、それがすごくカッコ良かったんですね。僕、それまで、ギターの音がどんなものかすら、知らなかったんですけど(笑)。“コレがギターの音だよ”っていうことを、教えてもらったんです。それで、“コレ、カッコイイね。やろう!”っていうことになって、そのとき使ってなかったゲーム機があったから、それと物々交換で、ギターを借りたんです(笑)。そのあと、高校に入学するときに、お母さんに“買って。”ってお願いして、hideさんモデルを8万円で買ってもらいました(笑)。それがいつの間にか、“俺はギターで食っていくんだ〜”って、家飛び出しちゃって(笑)」
●それはいくつのときですか?
「いや、高校を出てからですよ。でも、卒業する前から“卒業したらソッコー出ていくから!”ということは言ってましたね。だから夏休みにすごくバイトをして、30万以上稼いで…。でも、不思議なもので、卒業するころにはなくなってるんですよね(笑)。そのうちの10何万はギターに消えたんですけど、それでも10万は残ってたのかな」
●そのころ、バンドもやってました?
「やってました。×××××××っていうバンドを(爆笑)」
●いったい、どんなバンドだったんですか(笑)?
「まあ、ギター2人で、普通にドラム、ベース、ヴォーカルがいるバンドだったんですけど(笑)。よく、学校の視聴覚室でライヴとかあるじゃないですか。軽音楽部でもなかったんですけど、なぜか出ることになって、出る前日に、“俺ら、バンド名ないよな〜”っていう話になったんです。話してはいたんですけど、結局、“めんどくせ〜な〜”っていう話になって、ドラムのヤツに、“○○ちょっと決めといて〜”って、帰っちゃったんですよ(笑)。次の日ライヴをやる視聴覚室に行ったら、×××××××って書いてあって、“誰だよ!”って聞いたら、“俺らだよ”って言われて、“ああ、そうなんだ…”って(笑)。ルナシーとかやってる、ヴィジュアル系バンドだったんですけど(笑)」
●どんな意味があったんですかね(笑)?
「意味はないと思うんですけどね(笑)」
●ギターを始めてから、いろいろなことがありつつ、カグラとしての活動をしてきた中で、ギターというものが、真さんの中でどんな風に変化してきましたか?
「一番はじめは、いろいろコピーするじゃないですか。で、エフェクター使って、“CDと一緒じゃん!”って、思ったりしてましたよね(笑)。今思うと、“バカか、お前は!”っていう感じなんですけど、単純に練習していることが楽しかったんです。でも、オリジナルを作るようになってからは、変わりましたね。人の音楽を、まったくコピーしなくなりました。例えば、誰かの曲を聴いてから曲を作ると、どこかしらそのニュアンスが入ってくるのがイヤなんですよ。“○○っぽいよね”と言われるの、イヤじゃないですか。だから、今、曲を作るときは、自分の中の絵をイメージして作るんです。僕の中で、消化されたものとして出てくるのは良いんですけど…。絶対、自分というフィルターを通
したいじゃないですか」
●実際のプレイの面ではどうですか?
「プレイというか、アレンジの仕方は変わってきたなと思いますね。昔は、やたらクリーンにアルペジオをやりたがるみたいなところがあったんですけど。最近は“それは歪みでよくないか?”と思うようになりましたね。今は本当に素直ですよ。“もうココはコードで良いでしょ”とか。“曲全体の中のギター”っていう考え方になってきたのかなと思います」
●将来的に、どんなギタリストになりたいと考えていますか?
「自由自在になりたいですね。たとえば、座って弾いたほうが、断然ギターは上手いんですよ。立って弾くと、スゴイ角度がつくじゃないですか。特に、僕はギター低いから。でも、そういうことは関係なく、“こういうフレーズで”とか“こういうニュアンスで”というのが、頭で考えなくても弾けるようになりたいんですよね。今はまだ、絶対考えていると思うから」
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●次は、カグラについてなんですが。
「まぁ、カグラになる前のバンドから、ずっと今のメンバーなんですけど…。バンドの雰囲気が、ちょっとずつ変わってきたかなと思うんですよ」
●どういうふうに、変わってきたと思いますか?
「責任感みたいなものが出てきたというか…。バンドって長くやっていると、役割分担みたいなものができてくるじゃないですか。“これに関しては、俺がやる”みたいな部分が、それぞれに出てきた。リーダー(白水)という人間がいますよね。はじめは僕らと同じ位
置にいたのに、だんだん一番いろいろなことを把握してる人間になっていくんですよ、なぜか。僕は、レコーディングの担当みたいになってるし、女雅は雰囲気っていうか…、空気みたいなヤツだし(笑)。バンドのムードメーカーというんですかね。まぁ、それぞれの良いところが伸びるというか、伸びるイコール、責任が果
たされるというか」
●女雅さんはムードメーカー、真さんはレコーディング…という役割があるとして、ほかのメンバーに関してはどう考えてますか?
「一志は、僕の中で“影ながら…”っていう印象があるんですよ。ヴォーカルには珍しいと思うんですけど。ミーティングでも、僕や楓弥なんかはしゃべり続けてるんですけど(笑)、一志はガーッと言ったりはしないんですよ。でも、うまいところに話を持っていくというか…。“影の支配者”なのかよくわからないんですけど(笑)」
●一志さんが考えている方向に、気づかない間に誘導されてるような感じですか(笑)?
「誘導されてるのかなぁ(笑)。要所、要所をすごく考えてるんだなと思います」
●では、白水さんはどうですか?
「白水はリーダーですよね。でも、ほかのバンドのリーダーとは、ぜんぜん違うと思います。“俺についてこいよ!”っていう感じではないですよ。たぶん、ギター陣のほうが、仕切ってるんじゃないかと(笑)。何でしょうね、すごく不思議な感覚なんですけど…。お父さんみたいな(笑)。まぁ、リーダーに関しては、“なんであのときリーダーになったんだろう?”っていう感じだったんですけど(笑)」
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●真さんは、“なぜ自分は音楽をやっているんだろう”と思います?
「自分でこのキーワードを出しておいて、“なぜ音楽をやっているんだろう?”と思うんですよね(笑)」
●“楽しいから”とか、“表現したいことがあるから”とか、そういうことではないんですか?
「“楽しいから”じゃないと思うんですよ。楽しいだけを求めたら、ほかのことをやっていたほうが楽しいと思うし」
●それでも、続けているのはなぜですか?
「僕、昔からモノを作るのが好きなんです。造形でも良いし、絵でも良いし、何でもいいんですけど。何かができたときって、すごく嬉しいんです。その嬉しさが、曲の場合が一番嬉しいんですよね。たとえば、“テーブルを作る”というと、板を買ってきて、足を打ちつければ終わりですよね。それは、どんなにキレイにできたとしても、つまらないんです。ほかのモノに関してもたいてい一緒で。まぁ、絵は別
なんですけど。音楽って、表現じゃないですか。僕は、いろいろなことの“状態”を曲にするのが好きなんですよね。だから、音楽が楽しいというよりも、音楽を作ることが楽しいんだろうなと思いますよ。もちろん、ライヴも好きだし、音楽を聴くことも好きだけど、作るのが楽しい」
●たとえばですけど、これから先、音楽以外の表現方法で、何かを表現したくなるときがあると思いますか? やはり音楽以外には、考えられませんか?
「この先どうなるかは、わからないですけど…。最近、コンピューターを使うようになって、そこにイラストレーターやフォトショップを入れて、いろいろやってるんですよ。でも、それはやっぱり副業的な感じがするんです。単純に楽しいなとは思うんですけど…。やっぱり音楽が一番ですね」
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●自分で、自分のことをどういう人間だと思いますか?
「僕、自分で自分のことを、すごく真面目だなと思うんですよね。なんか、生真面
目なんですよ、僕(笑)」
●何度かお話させてもらって、確かにそういう印象はすごくありますね。
「あと、とりあえずやることは、最後までやらないとイヤなんですよ。よくわからないところで硬派なんですよね(笑)。僕、バンドをやるときに、“ワルにならなきゃいけない!”と思ったことがあるんですよ(笑)」
●……不良(笑)?
「不良じゃなくて、道徳的なワルですよね(笑)。今は、ぜんぜんそんなことないですけど」
●じゃあ、当時の自分に会ったら、説教してやりたい感じですか(笑)。
「そう。“お前は何をしてるんだ!”と。でも、当時もそれが間違えているということには、気づいていたんです。でも、そうしないと生きていけないだろうなっていう、変な腹のくくり方をしていて。今は、そんなことは意味がないなと思って、すごくアバウトになりましたけど」
●どうして変わったんですか? 誰かに“それは間違っている!”と、指摘されたとか。
「まぁ、きっかけになる体験は、あったと思うんですけど…。それまでは、自分は当然正しいと思ってきたことだったんですけど、それじゃあ先が見えている気がして。“それはイカンな”と思って、もっと素直になろうかなと思ったんです」
●人間は誰でも、間違いも良いことも繰り返しながら、どんどん変わっていくものですからね。
「僕、昔からよく自分を変えたいなとは思ってましたね」
●初めて“自分を変えたい”と強く意識したのは、いつぐらいですか?
「中学のときですね。僕、“クールになりたい!”と思ったんですよ(笑)」
●無口で、淡々として、でも存在感はあるみたいな(笑)。
「そうそう(笑)。部活の先輩で、“この人カッコイイな、オイ!”って思う人がいたんですよ。その人が、すごく寡黙だったから、僕も寡黙にならなきゃいけないと(笑)。思春期のときって、いろいろあるじゃないですか。あんまり、人間が好きじゃないなっていう時期があったんですよね」
●実際、寡黙でクールな人になれました?
「…微妙に(笑)。まわりに嫌いな人間がいるときは、クールでしたけど(苦笑)」
●好き嫌いもけっこう激しいですか?
「いや、そうでもないんですけど…。嫌いな人は嫌い(笑)」
●態度にも出てしまいます(笑)?
「あ、出ますね。僕、よくまわりに言われます。ただ、そんなにイヤだなと思う人はあまりいないですけど(笑)。でも、なんでだろうな〜。なんであのとき、“クールになりたい”と思ったんだろう? ワケわかんね〜(笑)」
●その後はなかったですか? そういう自分改革のようなことは(笑)。
「次は、“明るくなろう!”と思ったんですよ。“俺はぶっちゃけ、つまらん!”って思って(爆笑)。それからは、普通
に話すようになりましたね。その後は…、一回、熱血だったんですよ(笑)」
●アツイ男だったと(笑)。
「アツかったです。すごく(笑)。高校卒業するくらいまでは、メラメラしてました(笑)」
●そういうふうに、自分探しをしてきた真さんですが(笑)、その中でも、絶対に変わらないモノはあると思うんですよ。それが何かわかった部分もあるんじゃないですか?
「すごく思ったことがあるんですよ。そういうことで変えられるのって、表面
だけなんですよね。自分では変わった気になってるんですけど、背骨っていうのは変わらないんですよ。“じゃあ、素でいいじゃん”みたいな(笑)」
●その変わらなかった“背骨”が、本当の真さんですよね。その“背骨”を考えたとき、自分はどんな人間だと感じました?
「やっぱり、生真面目ですね、うん」
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●さて、次は楽曲についてですが…。
「曲は、大切な子供たちですね」
●楽曲って、作った時点では子供のようなものでも、ライヴなどをやっていく中で、どんどん大きく成長して、変化していきますからね。
「そうですね。生まれた時点では、まだこんな小さい赤ちゃんで、“なんだ、お前は!”っていう状態なのが、“食え! 食え!”ってやっていくうちに、太っていくんですよ(笑)」
●太っていくんだ(笑)。
「それは冗談なんですけど(笑)。僕、ちょっと前までは、もう、ガッチリ作ってたんですよ。もう、ドラムもベースもビッチリ上がってるし。“こんな感じ”というより、完成形で“こんな感じ”っていう」
●当然、それは変わっていくんですよね。
「もちろん。ギターパートはもう一つ入ってくるワケだし、“ここはこうしたほうが良いんじゃない?”ということもある。メロは一志が自分で考えたいと言っていたし…。でも、構成まで、全部やってましたね」
●今はどうですか?
「今はわりとアバウトですね。ドラムは一小節ぐらいループ作って、ズバーッとコピーして、ここは変えようっていうところだけ、1つ2つパターンをつけて、またズバーッとコピーするみたいなかんじで、ベースはズダダダダダーッみたいな(笑)」
●どうしてやり方が変わったんですか?
「やっぱり、結果として変わるんですよ。“一番楽曲としてカッコ良くなるのは、どういう状態なんだろう?”って考えたことがあったんですけど、“自分の中で完成しているというのは、ダメなんだな”と思って。人間って、固定観念があるじゃないですか。だから、1回できあがってしまったモノがあると、それが一番良いと思ってしまうんです。僕が全部作ってしまうと、それがオリジナルになってしまうから、ただの作り替えだなと考えてしまう。それは、あまりカッコ良くないですよね。だから、必要最低限なものだけを入れて、あとはメンバーが何をしてくれるかを待つほうがいいなって。自分の中でキッチリ決まってないから、できたモノに対しても、“こういうふうになったんだ。イイね〜”と感じることができるんですよ」
●真さんが曲を作るとき、どんなふうに作ります? 何かインスピレーションを受けるモノがあるんですか?
「ホント、さまざまですね。テキトーに弾いていて、“このフレーズ良いな”と思ったら、ダーッと作ってしまうときもあれば、いろいろなMIDIの音源をイジってるときに、“この音良いな”と思ったら、それを広げてみたり。“こういう感じの曲が良い”と考えて、作っていくこともあるし…。作ってる途中に絵とか見ると、“ああ、そうそう! コレコレ!”っていうときもある。ほんと全部バラバラなんですよね」
●いままで自分で作った楽曲で、一番思い入れがある曲は何ですか?
「自分の中の曲調の好き嫌いを省いたうえで、バンドとして好きなのは『恋綴魂(ことだま)』かな。ずっとやってるし、初めてレコーディングした曲でもあるんですけど。あれは不思議な感じですね。一番すんなりできているような気がする。楽曲として、面
白いし、キレイだし…。カグラっぽいのかもしれない」
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