2番手は、クラウド・ナイン。元X JAPAN/D.T.Rの沢田泰司(Ba)が結成したバンドということで、去年秋ごろから話題となっていたバンドだ。ところが彼は、今年1月には脱退。過去にキャリアや名声もあるスタープレイヤーを欠いたことで、この日は苦しい状況であったと考えられる。ところが、メンバーは久々のライヴ、しかもアマチュアながら大舞台とあって、相当の張り切りよう。ステージに出てきて早々、ヴォーカルのYAZZは“椅子は壊すためにあるんだ”と客を挑発した。
 そして始まったのが「スピードライズ」。ヘヴィなナンバーであるが、リズムのベーシックにレッド・ホット・チリ・ペッパーズを思わせるファンキーなノリも持っている。ところがこの日、PA側のミキシングバランスの悪さで、ドラムのキックとヴォーカルだけが目立って聴こえ、ギターやベースの音はかなりオフ気味。張り切っていたメンバーだけに、音響の悪さが悔やまれる。音のバランスが良くなったのは、2曲目の中盤あたりからだった。
 このクラウド・ナイン、モダンヘヴィネスをかなり意識してはいるのだが、確かにパンテラ的なところもあったり、チューニングを下げたことによる低音の迫力はある。しかしメンバー自身、'80年代のメタルに相当影響を受けていることもあり、LAメタルを思わせるリフや展開なども、曲の各所に導入されている。そこがオリジナリティになればいいが、まだ中途半端な印象のほうが目立ってしまっていた。
 しかし、本格的な活動を始めて、まだ間もないバンドである。それに、最近の若手の中ではプレイのうまさ、特にヴォーカリストの凄みという点では優れている。この日を観て、もういいやではなく、これから何度も観て、その成長ぶりを確かめていきたい。そんな今後への期待を抱かせた。ちなみに11月ごろには、このバンドが音頭をとったラウドネスのトリビュートアルバムも発表するという。








1.スピードライズ
2.デッドリー
3.ロックショック
4.ダミッド トゥ ヘル
5.バスタード