ピーコックスを見てて、
“これはちょっとやりてぇなぁ”
とか思って作りました


●リリース自体が久々ですよね。で、今回は珍しく、1曲ずつ見ていこうかなと。あ、その前に、全5曲で800円というのは、ニューアルバム先行シングルじゃないパターンですよね?
「そうですね。『To That Light』('00年)とか『SMILE』('00年)とかの感じです」

●つまり、このあとすぐにアルバムが出るわけではない、と。
「じゃないんですよ。ま、普通にマキシシングルというか。いつもの500円のは、もう何て言うか…特攻隊長みたいな(笑)」

●ちなみに6/4渋谷オンエアイーストでは、今作の1曲目「Party」と2曲目「Jump Out」をやりましたよね。で、その前に5/12下北沢クラブQueで初めて聴いたのかな?
「Queでは3曲目(『Hurt Me More』)もやってるかな」

●ちなみにタイトル曲「Party」は、いわゆるミディアムテンポのシャッフルじゃないですか。この曲を作ろうと思ったキッカケは?

「2月にヨーロッパツアーでピーコックスとやったんですけど、ピーコックスってもともとサイコビリーとかなんで、ああいうビートは普通 にやっていて、それを15回も見ると“これはカッコイイなぁ、やってみたいなぁ”と相当思いまして。でも、ドラムの人(コバヤシ)が“シャッフルは苦手”って言ってたことがあって…。今までは別 に、そんなに興味もなかったんですけど、やっぱりピーコックスを見てて“これはちょっとやりてぇなぁ”とか思って作りました」

●いわゆる典型的なロカビリーとかのハネる曲は、結構あった記憶があるけど、こういうミディアムの曲もありましたっけ?
「これよりも、もっと遅いのがあるんですよ。これより上は、いっぱいあるじゃないですか。だから、このテンポ自体はないかもしれないですね。でも、とりあえずシャッフルっぽいのをやってみようと…。あ、間違えました! 『Party』を書く前に、実はもう1曲あるんですよ。もうちょっとテンポは遅いんですけど、シャッフルを使った…。それがモロにピーコックスの影響を受けた曲で、それができて、これは面 白いってことになって、もう1曲書いてみようと思って書いたのが、この『Party』って曲なんですよ。最初のほうの曲がすごくスローだったから、もうちょっとアップにしてっていう、2段階ありましたね」

●ケムリの「Scream for my dream」('00年ライヴアルバム『旅【tabi】』、'00年アルバム『千嘉千涙【senka-senrui】』に収録)も、ミディアムのシャッフルっぽい曲じゃないですか。あの曲も、スカパンク中心のバンドとしては新しいタイプのレパートリーだと思うんですけど、そのへんからなのかなぁとも思ったんですよ。でも、それよりはピーコックスなんですね?
「そうですね。ピーコックスが直接的な引きがねなのと、あとはブライアン・セッツァー・オーケストラを聴いて、こういう感じはちょっとやってみたいなというのは、前々からありましたよね。だからケムリがやったときには“あぁ、先にやられたぁ〜”と思いましたけどね(笑)。やろうやろうと思ってたんですけど、やっぱすぐにはできないんですよねぇ。そういうのがないわけじゃないですか、もともとロカビリーとか聴いてなかったし。パッと聴いて、パッとできなかったですね」

●おまけに苦手な人がいて…。
「“苦手だよ”って、先に言われちゃったりして(笑)」

●なぜケムリの話を出したかと言うと、チェンヂアップの新曲にもシャッフル系があったんですよね(最新マキシ「CRAZY RIDE」収録の「SUPREME DAY」)。今、スカパンク界にシャッフルの波が…?と(笑)。
「たぶん、みんなブライアン・セッツァー・オーケストラだと思うンですけどね。ああいうのをちょっとやってみたいっていうふうに、なるんじゃないですか? やっぱり第1波や第2波で出てきた人らは、みんなもうやり尽くした感はあるんじゃないかなと思うし。チェンヂアップも意外に古いから、さんざんストレートなものはやったから、違うものを書いてみたくなったんじゃないですかね。

 でも俺は、単純にピーコックス見て、そういうのやりたいって言って、そういうの書いて、いつもと違うふうになって“あっ、これはシングルにしたら、みんなが驚いてくれて面 白いかな”っつーので、シングルにしたんですけどね」

●そこで、イチカワ(Ba)さんがウッドベースを、っていうところには行かなかったんですよね?
「でも今、ちょっとやってみようかなとか言ってますけどね」

●以前、今年はウッドベースにもチャレンジしてみたいとか言ってたから。
「すぐバンドでできるかどうかは別として、やっぱベーシストのキャリアとして…引き出しとして、あってもいいのかなっていうふうには思ってましたね。ウエノコウジ(ミッシェルガンエレファント/Ba)さんとかを見て、俺もちょっとやったみようかなって、カタログとかは集めてましたけどね(笑)。まず練習用にアップライトかな、って。そっから先は、どうなったか知らないですけど」


オリジナルでホーンがない曲も
あっていいかなぁと。
前はダメだったんですよ


●2曲目「Jump Out」はホーンが入ってないけど、これは曲ができたらホーンが要らなかったのか、ホーンなしの曲を作ってみようとしたのか?
「後者ですね。去年の“POTSHOT a-GOGO”のツアーあたりから、アルバム4枚も出しますと曲数が増えてきて、ホーン隊のほうから“ツラい”という意見が出まして。確か“POTSHOT a-GOGO”のときは、シングルのB面…『She is Cute』('00年)のカップリングだったデッド・ボーイズのカヴァーの『Tell me』(※オリジナルはザ・ローリング・ストーンズ)にはホーンが入ってないから、とりあえずあれをやってたんですよ。で、あれを真ん中でやって、その間ホーン隊が休んで、そのあとインストの曲をやって俺が休んで。それで、また後半戦スタートみたいな感じのステージをやって。
 で、もう結局そういうステージになっていくのかなって思って、だったらオリジナルでホーンがない曲もあっていいかなぁと。前はダメだったんですよ。6人全員がちゃんと参加してないとっていう使命感みたいなのがあって、無理矢理ホーンを立てたりもしたんです。実は、ないほうがいいのになぁっていう曲もあったりしたんですけど。でももう、そうじゃなくてもいいんだって感じになって」

●バンドとして固まっていきたい過程だと、そうなのかもしれないですね。
「でも結局、必要に迫られちゃって、“ホーンが休みたい”と。でも、裏を返せば“別 にやっていいよ、ホーンがない曲でもポットショットでいいじゃん”“あ、いいの!?”みたいなのがあって作ったんですよね。だから、たぶん増えていくんじゃないですかねぇ。1曲じゃ飽きちゃうから。そういうポットショットっていうのも、これからあるんだと思います」

●たとえばアルバムの頭にインストがあるように、必ずアルバム1枚の中にホーンが抜ける曲があったりとか。
「そういうふうになっていくのかなって感じでしたね。で、ライヴを見てもらえばわかると思うんですけど、そういう曲ではギター2本でやったりとか。見せ方として、ただ抜けただけじゃないっていうふうにはしようかなと思ってて。あと、俺もギター欲しかったっていうのがあったんですけどね(笑)」

●持ってはいましたよね?
「作曲用には持ってたんですけど。ウチ今、フェルナンデスからサポートしてもらってて、サトシ(Gt)とかもオリジナルのモデルじゃないですか。しかも“タダなの!”みたいな(笑)。だから“俺も欲しくねぇ?”みたいなのも、無意識のうちにあったかもしんないです。で、ピックは作ってもらいました。Ryojiピックっていうのを」

●ギターは既存のモデルをもらって?
「そうですね。でも、それも色を塗ってもらおうと思って工場に出してたら、工場が混んでるって言われて返されました(笑)。なので日をあらためて、また…。Ryojiモデルが、いつか陽の目を見るんじゃないかなっていう」

●今度、読者プレゼントでください。
「今あるかなぁ…、ありました! ポケットの中に入ってました、ギタリストだから(笑)。2枚出てきたから、どうぞ」

●いただきます。
「これも最近出たやつらしくて、塗装が滑り止めになってるんですよ」

●レコーディングでは弾いてない?
「えぇ、弾いてないです。レコーディングでは、まだデビューしてないですね。同じ奴が弾いたほうが、グルーヴが合うというか。そこは、ポットショットもメタリカと同じ手法をとってまして、なのでギタリストのサトシが2本とも」

●ちなみに、ホーンがないからっていうのもあると思うけど、ああいうイントロの単音弾きのリードギターって新鮮ですよね。日本のバンドって感じ。でも歌が入ると、ポットショットの洋楽っぽさというかベタッとしてない感じで。イントロだけ聴くと、日本のビートロックバンドっていう匂いを感じるんですよ。
「それでもいいんですけどね(笑)。でも、そういうことだったのかなって。結局、(「Jump Out」の)リードギターとかの部分が、(これまでの曲の)ホーンの部分になってたのかなぁっていう。で、それがスカ系のバンドとウチが違ったところだったのかなって。ほかのバンドだと、(ホーンセクションのフレーズは)ホーンの人が付けると思うんですよ。そうすると、やっぱりホーンっぽいフレーズになるというか。でもウチは俺が付けるから、ホーンの人は大変らしくて。ブレスとか、まったく無視して付けちゃうから。でも、そのおかげでウチららしさが出てたのかなぁっていうのは、この曲をやって再認識したというか」

●ミッチー(Tp)が前に、そんなようなことを言ってた気がする。変わってるから大変だけど、それがいいんだろうなぁって。
「それを確認しましたね」

●これは、ド頭とかサビとかはダブルで歌ってるんですか? あるいは機械でズラして?

「あれはダブルですね。ファーストから、ほとんどその方法でやっていて、曲によってダブル感を薄めたりとか濃くしたりとか。(ダブルではなく)シングルの曲もたまにあるんですけど、基本的にはダブルです。
 ファーストアルバムのときに、たまたま薦められて、その方法でやったんですよ。っていうのは、ピッチとか声量 に自信がなかったんです。今でもですけど(笑)。そしたら“ダブルにするとごまかせるよ”って言われて。で、やってみたら“あ、ラモーンズっぽくていいや”って。それで今も続けてるんですよ」

●リバーブの具合なのかわかんないけど、今までとはまた違う感じっていうか。一瞬、機械かなと思うくらいキレイというか。
「しめしめ、何にもしてねぇよ(笑)。たぶんね、いつも通り普通にやってると思うんですけどね。歪みのギターが鳴ってないからだとかじゃないですかねぇ。いや、特殊なことをしたっけなぁ…。いや、ないと思うし、覚えてないです」

●スタジオも、いつもの高円寺の?

「はい。『To That Light』から、もうずっとそこですね。スッゲーいいんですよ、これが。部屋が狭いから、ホーンの人からは“鳴りの部分が録れないから嫌だなぁ”とは言われるんですけど、俺はもう最高で。そこがイイですね」

●同じスタジオだけど音は同じじゃなくて、今回はまた違うような感じがする。今までポットショットの可愛さみたいなサウンドがあったと思うんだけど、今回は特にベースが図太いのかなぁ。シャープなところは、すごくシャープになってるし。
「バンドの固まり感が出たんですかね。ヘタだヘタだって言われてても、ちょっとは何かあるんですかね、これだけ長くやってきたから(笑)」

●確実に固まってきてるというか、ステップアップしてるんじゃないかなと思いますね。

「じゃあ、続けるっていいことですね(笑)」

●でも、やっぱりこの曲はベースがカッコイイね。オイシイ。
「悩むらしいですけどね。“目立っちゃうよ、俺”みたいな。それに、そろそろネタ切れだって言ってましたけどね。やっぱスカだから、同じように動くわけじゃないですか。“もうねぇよ〜”みたいな(笑)。結構いっぱいいっぱいになってきてますけどね。“頑張れ!”って」







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