すべてのファンを満足させられる
選曲など、できるわけがない

 “20年間やり続けられたことよりも、20年間ロックを好きでいられたことがすごいと思います”
 確かアンコール「TWO PUNKS」の途中で、こんなMCがあった。世の中全体が飽きっぽいってことは、人の心が飽きっぽいということだろう。そんな中、自分が20年間好きでい続けられるものは…? こうして節目を意識してみることは、いろんなことを考え、自分を成長させるイイ機会なのかもしれない。冠婚葬祭が本来持っている意味に近いものがあるのかも…とも思える。
 29枚のアルバムと26枚のシングル、曲数で言うと241曲を発表してきたザ・モッズが、たった1日、長くて2時間もないステージで、すべてのファンを満足させられる選曲など、できるわけがない。が、悩みに悩んだはずだ。結果 、“あの曲が聴けなくて残念だったなぁ”と思う部分は誰にだってあるだろうし、どんなアーティストのライヴにだってあり得るだろう。でも、この日のライヴ自体に不満を感じた人はいなかったと信じたい。いたとしたら、そいつは単なるワガママだと僕は思いたい。ま、それぐらい忘れられない、まさに記念すべきライヴになったと思う。

自問に対するヒントや答えが、
笑えるほどあっさり見つかるはず

 個人的なことでホント恐縮だが、開演前、ザ・コルツ関係やザ・ハンドレッズ関係の面 々に大貫憲章さんをはじめとするロンドン・ナイト関係の面々、そしてザ・モッズのかつてのスタッフや現在も携わっている関係者など、みんな20周年を祝うために野音に集まっていて、それ以上に、これから始まるライヴをドキドキしながら待っている空気で満たされ、とても居心地が良かった。
 そんな中、自分にとっては、あの曲のどの部分がどうだったとか、サウンドがどうだとかをここで細かく書く意味は、ほとんどないと思った。ザ・モッズが今、どんなライヴをやっているかは、まさに進行中の全国ツアーを見るほうが今のモッズをより体感できるし(さっそく福岡で見てきたが、この野音の20周年ライヴ以上に感動!)、自分が年を取ってダサくなっていくことを心配している微妙な年令のオトナも、オトナになんかなりたくない10代も、じゃあどうしたらいいのか、という自問に対するヒントや答えが、笑えるほどあっさり見つかるはずだ。一言で表わすなら、“生き方としてのロック”を感じたら文句ナシ!

その日は、その日にしかできない
ライヴに本当になるのがザ・モッズ

 この日の野音は、それをずっとやり続けてきたザ・モッズのメモリアルライヴであり、たまたまキリのいい数字の年に一区切り付けただけ。この日だから特にどうこうなんてことは、ザ・モッズのロックに関してはない、と僕は思っている。ただ、みんなお祝いしたかったという気持ちは同じ。で、もちろん最高な夜だった。ライヴやお祭りが持つ“非日常”的な色合いが、野外ということも手伝って余計に強く感じられた。子供のころ、たとえば夏の行事の終わりに感じた、ちょっと寂しくなるような気持ちと似ている。
 この日、来たくても来れなかった人からしたら、もっとちゃんとしたレポートが読みたいってことになるのかもしれないが、これが今回の僕のレポートなんです、申し訳ないけど。まぁ細かいレポートを読むより、本物の生のライヴを最寄りのツアー会場で見てください。その日は、その日にしかできないライヴに本当になるのがザ・モッズだから。しかも、それを作るのはメンバーと客。本気で来るから本気で応えないと、つまんないね!

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