●フレッシュな若手って感じのイメージがあるんですが、実際の年令は?
「え〜っと、いくつぐらいだと思います?」

●実は結構トシだろうって言ってるわけじゃないんですけど(笑)、やっぱり22〜24才ぐらいかなと。
「あ、そうですか。良かったです。僕、いつも28才ぐらいに見られるんですよ。グーフィーズ・ホリデイの遠藤さんより年上に見られたことがあって(笑)。本当は23才です」
市川「23才です。ドラムの桑名が1コ下で22才です」

●そもそも2人は同級生?
「高校のときは、ストームはなかったんですよ。僕は別 でバンドをやっていて、“ずっとやっていくのかな…けど、あまり楽しくないな”と思いながら。でもバンドはやりたいな、みたいな。で、そのバンドは案の定やめたんですよ。それから、じゃあどうしようと思って、市川に声をかけたんです」

●それは学校を出てから?
「高校を出て、一年経ってないくらい」

●そのころは何をやっていたんですか?
「フリーターをしてましたね」

●背広を着て会社に行くというのは考えられなかった?
「ですね。ホントに僕、行ける能力がなかったんで。成績、本当にスゴかったんですよ」

●でも桑名クンは就職しようとして、できたわけですよね。でもバンドはやってた?
桑名「(就職で)静岡に行ってからは、やってないですね」
「桑名が、どっかの街に1人で行ってバンドを組むことは、ないですね。一年間で友達3人みたいな(笑)」

●やる気がないわけじゃないけど、自分から人を巻き込んでやっていこうというタイプじゃないんですね。
桑名「あぁ、ないですね」

●いい意味で内気、と(笑)。で、ドラムで思い浮かんだのが彼だった?

「2人で、そういう話もするじゃないですか。それでライヴのビデオとか見てたら、コイツが叩きよるのを見て、これはウマイと思って」

●キッカケがあれば、そういう方向へ行きたかったんですか?
桑名「そうですね」
市川「でも電話したら、“今、教習所に通 ってて、免許取ったら帰る”とか言って」
桑名「それは、お父さんに決められてて…」
「決められたレールを歩くような奴なんですよ」
桑名「バンドするか迷ってたんですけど、迷ってるならとりあえず就職して、それから決めてもいいかなぁ、と。で、就職をして、それから電話がかかってきたんです」
「けど考えてみれば、あのとき俺らから電話がなくて、そのまま工場で働きよっても、リストラされちゅうかも知れないけね。で、高知にノコノコ帰ってきたころに、俺らがウワーッてバンドやりよったら“僕もやりたいよぉ”ってなるやん。それ考えたら良かったよ」
桑名「良かった良かった(笑)」

●後悔はしてないんですよね?
桑名「してないですね。全然」

●メジャーデビューとかをしてプロとして食っていきたいのか、活動はインディーズでいいから続けられるところまで続けたいと思っているのか、そういうのって考えてます? バイトとかもしてますよね?
「バイトはしんどいですけど、あまりメジャーで…たとえばお給料もらってスタジオにちゃんと入れるとかっていうのは、そんなに思ってないですね。自分がそうなってないからわからないですけど、僕とかは単純に怠け者だから、自分のポケットマネーじゃないお金でスタジオに入ると、あまり練習しなさそうですね。ずっとロビーとかに溜まっていそうで。
 音楽で食べていけるようにはなりたいですけど、メジャーでというのは、あまり…。周りの人から話を聞くと、どうなのかなっていうところもあるし。それに僕らが置かれている立場で、今はそんな必要性がなさそうじゃないですか。だから別に考えてないですね」

●それは、みんな一致しているところ?
桑名「食べていけたらいいですね」
市川「まぁ今、楽しいので。自分がいる場所がどうこうというのは、そんなに考えてないですね」

●いいライヴをやって、いい作品を作っていくという形で売れたらいいかなと?
市川「そうですね」
「なんか運のような気がしているんですけどね、そういうのは。たとえば、いくら宣伝を頑張ってやっても、そのときは売れるかもしれないけど、続きそうにないじゃないですか。だから結局、いい曲を作って、いいライヴをやってっていうのが、常に一番いいんじゃないかと思うんですけどね」

●3人で集まって、今後の話をしたりするときに話すのは、どんなことですか?

市川「今ある曲の話…曲作りの話だとか」
「たとえば次のツアーはこうしようとか、3ヶ月後ぐらいの話までしかしませんね。もう23才だから、CDが出たら金持ちになれるとか、そういう感覚じゃないじゃないですか(笑)、いろいろ話も聞くし。たとえばイイ女が抱ける的な発想はないから(笑)、最近は現実的な話のみですよ」

●今回の作品の話なんですけど、ストームと言えば“速い、メロディアス、勢いがある”って感じだと思うんですけど、そのイメージから脱却したなとか、しようとしてるっていうのはあるんですか?
市川「それはないですけど、でも確実に何かが変わってるというか…今までやってきたものよりは、ただ速いっていうんじゃなくて、このメロディだから速いみたいな、そういう作りができ始めたかなとは思いますけどね」
「ほぉ〜」

●出てくる曲が変わったのか、曲作りのやり方が変わったのか、どっちですか?
「いや、やり方は変わってないですね。けど、アレンジとかの面 に関しては、基本的にほぼ僕があーだこーだ言うんですよ。それで、僕の聴くものが変わってきたっていうのがあるのかなぁ。けど、速いとかいうのは、ファースト('00年『storm goes on touring』)を出したときにリョウジ君(TVフリークのレーベルオーナー)が“最高速選手権有力候補”って言いよって、たぶんそれでそう言われてただけで、もっと速い人がいっぱいいたんですよね。同じようなメロディックなバンドの人らでも、もっと速い人はたぶんおったんですけど。まぁ、そういうキャッチコピーで出たら、単純にそう書かれるじゃないですか。それぐらいのもんで。だから、もし最高速選手権をやったとしても、たぶん2回戦くらいじゃないですかね。で、今はもう予選落ちぐらい。そんなに速くない」

●今回も4曲入りでトータル約7分だから、余計そういう印象があるかもしれないけど。
「ただ単に曲が速いよりは短いほうがいいかも。じゃあ、今回からそうしよう。“相変わらず短いです(笑)!”」

●じゃあ、出てきた曲に対して、これはもっとゆっくりのほうがいいのかなとか、これはモロゆっくりな曲だろうっていうのが出てきたりっていうのが、前と変わったところなんですか?

「いや、けど遅かったのが速くなったりとかもありますよ。で、速かったのが落ちたのもあるよね。だから最初から速いのをやってやろうっていうのはあまりないんですけど、まぁ慣れで速いのが多いくらいで」

●結果的には、これまでになくバラエティに富んでますよね? まぁカヴァーがあるからっていうのもあるかもしれないですけど。
「それは、たぶん演奏技術が上がったから…。昔はそんな技術がなかったから、1曲1曲にもっと表情をつけることができてなかったんですよね。だから、もし1年前に今回のシングルをレコーディングしたとしたら、今回みたいには録れてないと思うんですよ。今はメロディの雰囲気とかで、みんなの演奏もそれなりに意識してやってると思うんですけどね。だから自然にうまくなったんじゃないかなぁと。レコーディングの経験を積んだこともあるし、やっぱりライヴの回数も全然増えたから。あと、普段バイト以外のときは暇だから、スタジオとかに行きますよね。今、桑名とか働いてないから、毎日スタジオに行けって言ったんですけどね(笑)」

●世間的に見たらプー太郎みたいな(笑)。
「いやいや、世間的にも何もホント、プー太郎ですよ。だから高知の地元のバンドの子とかが、桑名が昼間っからスタジオ入るのをみて、“やっぱストームは金を持っちゅーに。仕事とかせず昼間っからドラム叩いて。いいなぁ、この人は”と。で、“ちょっと領収書もらっといて”なんていう会話を聞かれた日にゃあ、落ちるんだ(笑)」