スタジオで“こんな感じ”って初めて
教える一発目から、本気なんですよ(笑)


●曲なりメロディなり、どんな作り方をしてるんですか? たとえば、すごくガッチリとデモテープを作り込むバンドもいれば、その場でバーッと歌って聴かせてっていうバンドもありますけど…。
峰田「そっちッスわ。持っていく前に、まず家である程度固めるじゃないですか。メロディと詞が、フッと同時に頭の中に入ってくるんで…」

●メロディだけのストックとか詞だけのストックとかは、ないんですか?
峰田「ないッス。ずっと前は…曲作りを始めたころって、メロディがポンポン浮かぶんですよ。それをテープに、いっぱい入れて…いーっぱいあるんですよ、600曲とか。でも、そのころの曲は、作ればいいって感じで作ってたから。今は、そういうのじゃなくて、やっぱり一曲…時間かけてもいいから、一曲いいのを作ろうって。
 だから、無理して作ろうとはしないで、“あ、作れるな”ってときに掘り下げるんです。自分の回路じゃないけど、昔見た記憶を1枚の写真みたいな感じで、どういう光景だったかなっていうのを左端から右端まで思い出す感じで作る。ヒューって、メロディが歌詞と一緒に流れるんですよ。それを目つむりながらノートにバーッて書いていって。あとは詰める作業で、見てみて、これはこう修正しようとかメロディもこうしようとか。それをバンドに持っていって…うん、そんな感じかな」

●たとえば、歩いていてハッと思うこともある?
峰田「はい、それが多いッス。もう最近はテープレコーダーは全然使ってないです」

●パッと浮かんだときには、詞とメロディの一部プラス情景みたいのがあるんですね?

峰田「はい。その情景は、ある景色を見たときとか映画を見たあとにパッと広がる部分もあるし。で、“この雰囲気を曲にしたいな”とか」

●できた曲をメンバーに伝えたときに“ここがわからない”とか、そういうやりとりはあるんですか?
峰田「メンバーにも、あんまり歌詞は見せないッスもん。レコーディングのときに初めて、“こういうふうかな”って」
村井「そうッスね、お任せで。なんか、スタジオで初めてやるときから本気なんですよ。“こんな感じ”って教えるじゃないですか。その“こんな感じ”って教える一発目から、本気なんですよ(笑)」
峰田「そうだよなー」
村井「“どういう歌詞なの?”とか、付け入る隙がないっていうか。だから、それ見てOKも何もないっていうか」


4人それぞれの思い描いている映像が、ひとつに
近づいてくると、もっといいのが出そうだなって


●たとえば、その曲をレコーディングなりライヴでやってるときに、初めて“あー”って感じることは?
村井「あるんですよ。それが、特に今回のセカンドで、俺が実感したことなんですけど。ファーストとかは、レコーディングよりも前からライヴでやってたりしてたけど、セカンドは曲を作る作業から始まったから。まぁ、さっき言ったみたいな感じで曲を進めていって、レコーディングで歌詞を見たり、歌ってる姿を見て、実感が湧いてきたっていう。ライヴでも、そうなんですけどね」

●最初の本気で聴かされたときの印象と、ある程度こなしてきたときの印象は、違いますか?
村井「違いますね。違いっていうのは、“この曲いい曲だったな”とか“ちょっと違かったな”とかじゃなくて、自分がイメージしてる曲が形になって見えてきたっていう」
峰田「そんとき、嬉しいんだよね」
村井「うん。だから、できて全部の音を聴いたとき…レコーディングが終わってマスタリングで聴いたときに、ハッキリ見えたって感じッスね」
峰田「だから目標としては、これはちょっとずつメンバーが本当にそろそろわかってきたんですけど…でもまだ足りないところで、それぞれに求めてるところなんですけど、自分とは違う人間4人で一個の音を出すじゃないですか。で、自分が作ってる曲の、そのシーンを4人それぞれが考えるじゃないですか。その、それぞれの思い描いている映像が、ひとつになるわけはないんですよ、絶対に。4人それぞれ、過去に何かあったこととかも、それぞれ違うから。でも、それがひとつに近づいてくると、もっといいのが出そうだなっていうのはあります。人それぞれ解釈の仕方は違うと思うんですけど、でも、それも全部含めて一個にまとまっていけばいいのかなって思いますね。
 だからライヴでも、曲を演奏する前に僕、MCでいろいろ言うんですよね、その曲に関して。たぶん、それでメンバーはちょっと共通の映像じゃないけど、モードに入るじゃないですか。それでライヴのときは、気持ちいいんだよね」


●この間の代々木公園(5/18“東京初期衝動”)も、しゃべり長かったですよね(笑)。
峰田「ちょっと、しゃべりすぎましたよね(笑)。あれは村井君がケガしてて、あまり連チャンでやりたくないから、しゃべろうかなと思ったんですよ」

●ちなみに、たとえばイメージ映像を流すバンドもいるじゃないですか。そういうのはどう思います?
峰田「彼らは彼らって感じですよね。ウィーザーを見に行ったときにカモメが飛んでる映像とかあったんですけど、それはそれでいいと思った」

●でも、それをやりたいわけでもないんですよね?
峰田「うん。ウチらは映像を見せないで、みんながウチらの演奏を聴きながら、それぞれの映像を…っていうか。だって俺、お客さんの目の前でやってるのに、上のモニター映像とか見られたくないですもん」

むしろ“延期されて喜べ、 オマエら”
みたいなの、ありますね


●今回、村井さんのケガでツアー日程が振り替えになったりしましたけど、そんなに大きな損失はなかったんですか?
村井「いい環境だなって実感したことのひとつがコレなんですけど、キャンセルってなったときに、特にスタッフの人たちは大変だったんですけど、オマエはどうのこうのって感じじゃなくて…なんスかね、近いところで作業してくれてるっていうか」

●そんな状況を見て実感したというか…。

村井「それを見て、落ちたことは落ちたんですけど(笑)。申しわけないなって」

●ちなみに、なんでケガをしてしまったんですか?

村井「転んで」
峰田「部屋で」


●で、損害ってほどの損害もなかった?

村井「ある程度の損害はあるんですけど、でも振り替え公演があって」
峰田「いろいろ手間かかったじゃないですか。そのために、いろんなスタッフの人たちが動いたし、いろんな人が働いてくれたし。そのぶん俺は、気持ちが強まるんですよね。延期にして、みんな元気になって、じゃあ6月に行ったところで…なんか自信があるんですよ」


●倍返ししてやる、みたいな気持ち?

峰田「はい、そういう気持ちがありました。むしろ“延期されて喜べ、オマエら”みたいなの、ありますね」

●強気ですね(笑)。
峰田「そんぐらいじゃないと、やってらんないッスね」