4人それぞれが心血を注いで
得てきたリアリティ
ヴォーカルに板谷祐を迎えての第1弾アルバム『craze』を、3/7にリリース。そして3/17からスタートした、全12本のツアー。そのファイナルとなった赤坂ブリッツ公演を見た。
まず感じたのが、1人1人が出す音の重み。説得力と言い換えることもできるだろう。ファストなナンバーでも、メロディアスなミディアムナンバーでも、それは変わらない。ひとことで年季と言ってしまうのは簡単だが、長くやっていればそうなるものでもない。4人それぞれが心血を注いで得てきたリアリティであり、それがひとつになったCRAZEサウンドは、ますます深みを増している。
音楽を純粋に楽しんでいる
ゆえの素直な笑み
そして、今回のステージで特に印象的だったのは、飾ることをさらにやめたこと。もともとアンコールでは、哲の主導によるアットホームなMCもあったりしたが、基本的には殺気とも言えるほどの緊迫感があり、それがCRAZEの魅力でもあった。今回は、もちろんキレるところでは確かにすごいテンションだが、その質が変わってきているように感じたのだ。加えて、祐の加入以来、いい意味で素になっているというか、音楽を純粋に楽しんでいるゆえの素直な笑みも、メンバー全員に見られた。
たとえば瀧川の場合、常に近寄りがたいオーラを放ち、実際そういった部分もカリスマ性やカッコ良さの一部だったと思うが、今はちょっと違う。カリスマ性やカッコ良さは、彼が意識しようがしまいが、すでに漂っている。そんなこと彼が考えたかどうかはわからないが、飾らないカッコ良さ、人間そのもののカッコ良さが、自然と見る者を惹き付ける。
カッコいいオトナ、ロックしてる
オトナの良きサンプルに
さらにアンコールでは、哲が“グリーン・デイのライヴからパクッた”とネタばらしをした、即席コピーバンド大会も。客席から各パートを募集したのだが、メンバー4人それぞれが自分のパート募集のMCをしたこともあって、客席はみんな大喜び。やっぱりメディアでは見られない一面を見ることができるのも、ライヴならではの楽しさでしょう。来た人だけが知っている、メンバーも含めての秘密の共有みたいな感覚というか。
売れるために、いろんな部分を譲っていくバンドも世の中にはいて、それがたまたま素晴らしい結果を生んで大きく成長したり、単にアーティスト生命を縮めてしまうこともある。が、CRAZEにはそんなのカンケーない。なぜなら、これからも“やりたいことをやりたいようにやる”という当たり前のことをやっていくバンドだと思うからだ。彼らは譲っちゃいけないものを知っている、というよりは、迷わず譲らないバンドだと思う。
そんな彼らのライヴからは生きザマを感じるし、それを見てホレボレする人もいれば、“ロック”を感じる人、“パンク”を感じる人もいるだろう。また、じゃあ俺も頑張ろうと思う人もいるだろう。だから、このままの感じで、もっと売れてくれたらホント痛快。何も言うこととはありません。
というわけで、ライヴはますます楽しくなりそうだし、また、カッコいいオトナ、ロックしてるオトナの良きサンプルとして、さらに磨きがかかっていきそうな予感。今後とも絶対、要注目です!
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