●じゃあ、そこから次の作品を作る衝動がすぐに生まれてきたわけですね。
「それを思い始めてからね。その前まではけっこうわからなかったです」
●そうですよね。僕も思ってたんです。『NEU』のあとは、何があるの?って。
「でも、そのポリシックスの面白さを再認識したときに、すごい勢いで曲できましたよ」
●あのアルバムはパワーとか激しさとかは感じたけど、今回はそういう意味では、それが出過ぎてないかなって思います。
「うん。だから、今回はテーマがあったんです。音楽通をうならせる作品というよりか、わかりやすさを出そうっていう。でもそのわかりやすさ、言わばポップなんですけど、ポリシックスはただのポップは作れないんです、僕の性格上。その中にも毒のある。ポリシックスなりのポップっていう」
●ハヤシさんの中では“ポップ=わかりやすさ”?
「わかりやすさ…というか、騙す…。それと尖ってること。その2つがあったときに面白さが出るし。だから今回、わかりやすさって言うのはけっこう気にしましたね。でも、僕、根がオタクなんで(笑)。だから一音一音こだわるし。そこにマニア心をくすぐる何かがあったりするんだけど、それはわかる人がわかればいいかなって」
●『NEU』のほうが、わかりやすさという面ではなかった気がするんですよ。
「かえってロックファンには、わかりやすかったかもしれないけどね」
●そう! でもポップという面はまったくなかったですよね。
「そのとき、そういうモードで。ロックはもういいやって思って」
●いいやというよりは、もう吸収しちゃったって感じですよ。
「うん。だから、ロックの中に自分たちはいなくていいやってことですかね」
●それでは、先行シングルの話をしたいんですけど、この「NEW
WAVE JACKET」で目覚めたものってなんですか?
「やっぱりポップ。わかりやすさを目指したうえで、ポップの手法をとったけど、それは全然普通のことではない。わかりやすいと、普通は違うんですよ。ポリシックスなりのポップソングができた気がします。まぁ、このニューウェーヴは尖ってるっていう意味なんですけどね」
●これを聴いたとき、すごく変わったなってイメージを持ったんですけど。
「そうですね、ポリシックスは変わらない良さのバンドでは絶対ないし。なんで今こういう衣装になったか、なんで日本語詞に挑戦してるかっていうのは、前のポリが自分にとって普通になってたからなんですよね。ポリシックスの良さは変わっていく面白さだし。次のスタンダードを作っていかなきゃいけないバンドだと、自分でも思ってるから」
●うん。それから今回は、いま話にも出た日本語詞を使ってますけど、全然違和感がなくて。
「やっぱりもう、日本語でも英語でも作り方は同じなんですよね。声はリズムとか音なんですよ」
●日本語に対する捉え方が違うんですね。
「たとえば洋楽だったら、英語だから日本人には、すぐに伝わらないじゃないですか。聴くのは音だし。だったら日本語でもそれはできるかな〜って。ウチらは英語でずっといきますって思ってもなかったし、アメリカで一山当てようってバンドでもないし。だったら日本語も面白いかなって。だからさっきも言ったように、尖っていて、打ち込みで汗かいてるってことさえあれば、もう意味なんていいやって、そんくらい思っちゃいましたね」
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