とびっきりの笑顔の中に垣間見える、頼もしいほどの自信とこれ以上ないほどの充実感。ステージ上にはそんなメンバーの姿がある。それに引っ張られるように体を揺らし、心弾ませてみても、今日ばかりはどこか切ない。
 今年1月、JUDY AND MARYは2001年3月8日の東京ドーム公演をもって、解散することを発表。それを決意した彼らは、バンド結成から9年間愛し続けた“JUDY AND MARY”を完全なかたちで遂げるために、アルバム『WARP』を完成させた。そして迎えたその夜、『WARP』の1曲目「Rainbow Devils Land」をオープニングナンバーに、巨大なドームまでも揺れ動かすような熱気の中でラストライヴはスタート。“おてんば”なポップ感がいかにもJAMらしい「そばかす」、ピーチフィズのようなちょっとオトナの甘さが漂う「あたしをみつけて」、YUKIが鳴らす鈴の音とすうっと流れるようなメロディが、優しい気持ちを誘う「KYOTO」…1曲、また1曲と演奏は続く。そのすべてが、4人で最後の演奏になることを噛みしめるように。
 そして…YUKI、TAKUYA、恩田快人、五十嵐公太…、彼らがアンコールとして最後に、JUDY AND MARYとして歌う最後の曲に選んだのは「Over Drive」。5年前、 こんなにも色鮮やかで、こんなにもワクワク胸躍る“最高のメロディ”があることを、たくさんの人たちに教えてくれた曲だった。
 時は過ぎ、ついに迎えた来てほしくはない瞬間。YUKIは渾身の力を込め、マイクを通 さず叫んだ。“JUDY AND MARY WARP TOURファイナルに来てくれたみなさん、今まで応援してくれたみなさん、本当にどうもありがとうございました”。彼女はメンバー全員からのメッセージとして、そんな言葉を最後に残し、そしてJAMを愛し続けた私たちは、胸に去来する想いをこらえながら、その勇姿が見えなくなってもなお、惜しみない賛辞を贈り続けた。