取材・文●根本 豪 撮影●西田 航








 インディ最速という冠を外し、“パンク”を愛するいちロックバンドとしての魅力を見せつけたアルバム『THE GREATEST ASSHOLE』。肩の力を抜いてやりたいことをやってる本作こそ、まさに彼ららしい、そんな印象を受けた。そして同作品の発売から約4ヶ月、ついに全国ツアーのファイナルが行なわれた。
 この日はなぜか会場の音量が小さかった。が、音圧に頼らずとも爆発力や生々しさを出せるのが今の彼らだ。 同時に、ミディアムテンポの曲でも疾走し、高速の曲でも各パートのサウンドを立体的に響かせる。そして、この演奏技術や勢いの再現に加え、際立つ各メンバーのキャラ。フロント3人はほぼ好き勝手に動き暴れてるようでいて、それぞれが確実に客席との距離を縮め、全体を引き込んでいく。確かに“アホ”な要素も全開だが、同時に“偉大”であると納得させられる。その絶妙なバランスこそが唯一無二の“フルスクラッチのライヴ”を生み出す鍵なのだろう。
 この日のMCで、すでに決定した次のツアー“NATURAL BORN ASSHOLE TOUR 2001”(←生まれながらのアホツアー 2001)を発表し、“今年はいきます!”と熱く咆哮する場面があった。手応えもあったのだろうし、観客をアオル要素もあったのかもしれないが、それ以上に自分たちを奮い立たせてるようにも思えた。音も存在自体も、より厚みを増した今のフルスクラッチ、ぜひ見とくべきである。