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6/23日比谷野音にて行なわれた、デビュー20周年を記念するスペシャルライヴ“It's
a Kingsway”。その後、7/5にスタートしたツアー“DO YA LIVE!!”も、9/14に無事ファイナルを迎えた。また、全24公演のツアー中、北海道と金沢のイベントにも出演。実質は計26本の、森ヤン流に言うなら“クソ暑い中”まさに真夏の日本列島を駆け抜けるツアーとなった。
今回、自分が参戦できたのは4公演。序盤の福岡2daysの2日目、7/10福岡イムズホール。次が、ライヴ前に入っていた仕事が押したため、駆けつけてみたらすでに本編ラストの曲だった(泣)、7/23横浜クラブ24。そして、今回のツアーでもっともキャパがデカい、8/30渋谷アックス。で、ファイナルとなった沖縄、9/14那覇クラブD-SET。
同じツアーでも何度も見たい理由のひとつは、福岡での「POGO DANCING」や東京での「BLUE
RESISTANCE」や沖縄での「のら猫ロック」「バラッドをお前に」のように、どの会場でもやっているわけではない曲があること。そして、それ以上に、野音のレポートでも書いたように“その日にしかできないライヴに本当になるのがザ・モッズ”だから。たとえば狭くてメチャクチャ暑い、しかもステージ上のメンバーが見えづらい会場だと、メンバーも観客も消耗度が激しくなるため、トータルの曲数が減ることだってある。じゃあ、その会場に足を運んだ人は損だったかと言うと、それは絶対に違う。時間が長きゃいいわけじゃないし、曲数が多けりゃいいってわけでもない。
これまで森山がインタビューなどで何度も言ってきた、“ザ・モッズのライヴはフィフティ・フィフティ。半分は俺たち、残りの半分はお前たちが作るんだ”という言葉の意味も、そこであらためてわかってもらえると思う。各会場での“待ち望んでた感”や“楽しんでる感”が、素直に客席の空気やノリに出てこれば、メンバーだってもっと燃えるだろう。だからこそ、予定外のアンコールに応えることだってあるのだ。
ザ・モッズのライヴが、本当の意味での“生=ライヴ”であることは、今回の渋谷アックスでも起こった、こんなハプニングにも表われている。演奏予定曲目を終えて、ステージを走り去る森山以外のメンバー。ステージ中央の森山が、“あと1曲!”。スタッフはもちろん、20年以上も活動をともにし、家族同然とも言えるメンバーですら予想できないことだって起こるのだ。
さらに沖縄のファイナルでも、アンコールの演奏曲目は、セットリストとは違うものだった。終演後、移動の車の中で照明スタッフや楽器スタッフが“あれはビックリしたね”と語り合っていたのだが、その会話を聞いた時点でも僕は、せめてアンコールのステージに上がる前に、メンバー間では打ち合わせ済みだと思っていた。その後、メンバーにその話をしたとき、完全に森山の気持ちひとつによる、その場での変更だったことを知った。メンバーは“(曲が急に変更になるときは)何となくわかるんだけどね…”とも語っていたが…。
また、特に沖縄では、アメリカでの同時多発テロ事件が起こったあとだったことや、沖縄ならではの米軍基地に起因する、さまざまな問題のこともあったのだろう。要はアンコール2曲目の土壇場での変更に続いて、3曲目の予定曲「他に何が」も、“世界中のFuckin'テロリズムに…”というMCとともに「NAPALM
ROCK」に変更されたのだ。また、“沖縄に何かあったらザ・モッズがロックしに来ます!”という、あまりに心強い言葉も聞けた。
ここからは単なる憶測だが、沖縄での森山は、どことなくナーバスに見えた。もちろん機嫌が悪いとか、そういうことではなかったと思う。そして、本番も打ち上げもすべて終了したときに、ふと思った。国内外で起こっている凄惨な事件や卑劣な事件、こういった出来事からの影響もあったのではないか、と。同時に、感受性が並外れて強い人なのだ、とも…。
こうした出来事は、よほど身近に起こらない限りはリアルじゃないし、何かを感じていたとしても、(少なくとも自分の場合は)それに対してどうすることもできない自分というのもわかっているからか、何だかんだで時の経過に任せてやり過ごしてしまいがちなものだ。だが森山の場合、それでは気持ちが治まらないのだろう。つまり、もっともっとピュアな人間なんだと思う。そして、どこにぶつけたらいいのかわからないようなその感情を音楽に、ロックにぶつける。だからこそ、多くの人の心を打つ表現者なんだとも思う。
'89年に中国で天安門事件が起こったとき、そうして生まれてきた曲が「NAPALM
ROCK」だったはずだ。もちろん逆のパターンもあって、優しさや愛に溢れた名曲もいっぱいあることは、僕が言うまでもないだろう。整理すると“喜怒哀楽=感受性”、それを“表現するパワー=創造力”、そして“生き方”だ。
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