自然に盛り上がっていく感じを意識したというか、
そういった意味ではライヴとあまり変わらない。

●約2年ぶりとなるアルバムですが、その期間は意図的に空けたのですか?
國分「そうですね。この2年間っていうのは音源を制作することよりも、ライヴでお客さんを増やしていこうというか、ライヴを充実させる期間にしようという趣旨だったので、特にリリースのことは考えずに活動してましたね」
●曲を作りつつライヴを中心に。
大平「そうそう。でも、メンバーだけで新曲発表会を毎月一度やってたんですよ。なので、去年1年間で12曲完成して」
國分「12ヶ月経ったときに12曲できてるのは、僕らにとっても宝物になるわけだし、お客さんにとっても毎回ライヴに足を運んでくれる上で新曲を聴きたいだろうし。そういうお互いの意図もいい具合にマッチしてたので“じゃあやろう”って。でも今後も続けるかどうかは、ちょっとツライんでやめます(笑)。大変すぎて」
●じゃあ今作は、その発表会を通して制作された全12曲の中からの7曲を収録したということですか?
國分「いえ、12曲中の5曲と、それとは別に新曲を2曲入れたんです。2年間アルバムを出さなかったじゃないですか。だから、お客さんに僕らが前に進んでいるところを見てもらいたかったし、お客さんもそうだし自分たちもそうなんだけど、音源として聴きたい曲をこういうタイミングでアルバムとしてリリースすることにして」
●その5曲のチョイスというのはどういう風に? 全体を見たときのバランスですか?
國分「そうですね、一番バランスを見たかな」
大平「似通ってる曲はあまり入れず、レパートリーに富むようには意識したかもしれないですね。通して聴いたときに“この曲とこの曲が一緒だな”だと、やっぱり印象も薄くなっちゃうし。自然と盛り上がっていく感じを意識したっていうか、そういった意味ではライヴとあんまり変わんないよね」

まとまりきっちゃうとつまんなくなるし、
汚いんだけどカッコイイみたいな感じを出したい。

●レコーディングで意識した点はありましたか?
大平「感情だよね」
國分「よりロックな仕上がりになるような…もちろん、ギターのアレンジやバックのアレンジもそうなんですけど、それだけじゃなくてロックのアルバムとして聴いてもらえるように、ミックスの時点で普通とは違うようなミックスにしてもらったのはあったね」
大平「作品としてまとまりきっちゃうとすごくつまんなくなるし、汚いんだけどカッコイイみたいなそういう感じをどうしても出したくて」
●僕の印象としては、各楽器がすごく鳴ってる印象を受けたんですよね。それぞれの楽器がそれぞれの持ち味を生かしつつ、ひとつでバチッと交わっているというか。
大平「うん。それぞれ出したい音があっても、全体で合わせたときに浮いちゃうとグル−ヴも何もなくなっちゃうから。個々の音は埋もれる感じじゃなく、勢いがある感じを出したいなって思いましたね」
●あと、全曲に共通していることはメロディラインの良さだと思ったんですけど。
國分「もう、それがすべてみたいなとこだよね(笑)。どんなにギターがかっこ良くても、ドラムをかっこ良く叩いても、歌がダメだったら曲にならないと思う。パート個々のスタイルが明確になって曲の完成度も高くなってきたので、最近は歌メロがダメだから曲ができないってことが多いですね。それぐらい歌メロはデリケートに作ってます」
●本当に熱が集まっている作品というか。
國分「やっぱり音源でも、温度が乗ってないと生きている感じがしないじゃないですか。どんなにキレイに音を入れても、温度が死んでたら、ただ音を入れましたっていう感じになっちゃうから。それは今までの反省でもあるし、音源を作る上で絶対にやっちゃダメなことだと思う」

人間の心をつかむのって入り口なだけで、
その間口をこの作品では広げて作ったんです。

●作品の聴きどころを挙げるとしたら、どこでしょうか?
大平「各曲がバラバラな世界観を持ってるんだけど、ひとまとまりっていう感じになってると思うんです。あと、なんて言うんだろう…作ってる本人は難しいよね、ココを聴いてほしいっていうの(笑)」
●でも、イントロはすごくインパクトがありますよ。グッと持っていかれるっていうか。
國分「思うんですけど、1曲目を聴いてみて好きじゃなかったら、ハッキリ言ってもうそれ以上聴かないじゃないですか。でも、1曲目がいいなと思ったら流れで聴けるっていうか、結局、人間の心をつかむのって入り口なだけで、その間口をこの作品では僕ら的にすごく広げて作ったんですよ。この作品をキッカケに全部の曲を好きになってくれたらいいなって、バラエティの豊富さを意識しましたね」
●前作とは違った手応えもあったんじゃないですか?
國分「お客さんっていうか、リスナーの方からの反応での手応えはあるんですけど、自分たちではまったくないですね。当事者だから、作品が出来上がった時点で僕たちは次のステップに向かってて、完成した充実感よりも次に進んでいくっていう部分が大きいから。もちろん、音源に対して納得できていなかったら完成してないし、納得はしてるんですけど、自分たちが感じている達成感っていうのは、自分たちから生まれるものじゃなくて、お客さんが“良かったよ”って言ってくれて初めて作って良かったなっていう。核心に迫っている距離を感じてるのは、俺らよりも聴いてくれる人の方が感じてるんだなっていうのは思いますね」

歌をドーンと前へ出すためには、バンドの
ベクトルや方向性が見えてないといけない。

●機材面ではどうですか? 聴いていると、けっこういろんなことをやってるなと思ったんですけど。
大平「そうですね、ギターはかなり使ったかな。12弦ギターやらダブルネックやら、いろいろ。いつもはソルダーノというアンプで鳴らしてるんですけど、それだと全部音が一緒になっちゃうので、キャラを変えるためにマッチレスというアンプを使ったり」
●サウンドのバリエーションが多彩だから、音を聴いてるだけでも充分楽しめますよ。ところで、すでにレコ発ライヴが始まってますが、この作品に収録されているサウンドをライヴで再現するのは困難ですよね。ライヴではギターはどうしてるんですか? 12弦ギターやダブルネックを実際に使用して?
大平「ライヴはギブソンのフライングVだけでこなしてます。ライヴと音源は別物だと解釈しているので、音源では曲によってギターを変えてみたり」
國分「僕は基本的にレコーディングでのギターアレンジは彼(大平)に全部託しているので、ギターに関してはノータッチなんです。結果、音源としてすごく良くなるのはそれでいいから。でもライヴはライヴで、僕もギター&ヴォーカルだから弾かなきゃいけないじゃないですか。だけどお互いの役割を明確に把握しているので、ライヴだから音源の音に近づくためにはどうしよう、ということはあんまり考えないですね」
●ライヴでのギターの分け方としては、國分さんがバッキングで大平さんがリードという感じですか?
國分「もう完全にそうですね」
大平「音域を大事にしてるから、僕はフライングVでミッドな感じ、國分はストラトでキャリっとした感じで、音の広がり方を意識しますね。だから、2人が同じコードを弾いても絶対に一緒にならないし。そういう個々の役割を常に意識してやっているので、レコーディングのときには入れたい音も明確じゃないですか。軽くてキャリっとした音の下に僕の音が入って、それを主軸として音を広げたりすると、すごくスムーズ」
●やっぱり全員が向かう方向をわかってないと、バンドにならないですもんね。
國分「歌をドーンと前へ出すためには、ギター同士がぶつかっちゃいけないとか、スネアがぶつかっちゃいけないとか、バンドのベクトルや方向性が見えてないといけない。さっきも言ったように、このバンドでやれることっていうのをみんなが明確にわかってるから、“この曲をやってもいい曲にならない”と思われたらすぐに捨てられるし(笑)。そういう良い役割分担が、レコーディングや音にも反映されているんです」


レコ発ライヴの日程は以下の通り
(今後も続々追加予定)!
9/18(月)宇都宮ヘヴンズロック
9/19(火)さいたま新都心ヘヴンズロック
9/22(金)熊谷ヘヴンズロック
9/24(日)いわきソニック
10/5(木)渋谷オークレスト
10/12(木)高崎トラスト55
10/21(土)名古屋アポロシアター
11/1(水)下北沢シェルター
ディジー・アップ・ザ・ガールズ/写真左から、市本寛弥(Ba)、國分 祐(Vo,Gt)、中川 亮(Dr)、大平真五(Gt,Cho)。國分と大平を中心に結成され、03年、中川の加入に伴いバンド名をDizzy up the girlsと改める。その後、渋谷や下北沢を拠点にELLEGARDENなどと共演し話題を呼び、ホールクラスのイベントにも積極的に参加。その圧倒的パフォーマンスで高い評価を得ている。