周りからの“イイネ”が続けていくキッカケだったのかもしれない。
せっかくやってきたのもあるし、やれるだけやってみたいなって。

●まずは、バンド結成の話から教えてください。
酒井
「バンドの結成は、学園祭に出ようと気軽に集まった大学仲間が、徐々に発展していった感じです」
●バンド名もカワイイですね。
山崎
「学園祭に出るときにバンド名も決めなきゃいけなくて、緊急だったので私が決めました。“プリン”と“グミ”を足しただけっていう(笑)。一応、メンバーに確認はしたんですよ“これでいい?”って。でも、そのときは学園祭だけだったから“いいよいいよ”みたいな。そんなノリで決めたまま、現在まで至ってしまいました(笑)」
●本格的にバンドをやろうと思ったのは、いつ頃?
酒井
「学園祭が終わって、この仲間でスキー旅行に行ったんですよ。そのときに“もっとやりたいよね”っていう話をしてて、その約1ヶ月後にライヴハウスに出ようかっていう話になったんです」
●本作でデビューということですが、この作品を出すまでの経緯は?
酒井
「名古屋ハートランド(ライヴハウス)主催でライヴをやったときに、デビューの話をいただいたんです。就職活動をしないといけない時期だったので、踏ん切りがついたキッカケになりました」
●満場一致で?
酒井
「けっこう悩んだと思うんです。“お世話になる”ってことは、みんなでやっていくわけで、決断するまで悩んだというか。今まで中途半端って言えば中途半端だった」
高橋「それまでは、本当にただライヴをやって、学園祭に出たりするぐらいだったんです。でも、“イイネ”って言ってくれる人がたくさんいたので、それが続けていくキッカケにもなりました。せっかくやってきたのもあるし、やれるだけやってみたいなって」
●04年に結成したということは比較的最近ですよね。作詞作曲は誰が?
酒井
「作曲は5人全員でやっています。スタジオに入って、ギターフレーズを弾いたところにみんなが乗っかって、最後にヴォーカルがメロディを歌うっていうパターンですね」
山崎「本作の歌詞に関しては、『リトルカブ』って曲を私と畠山さんの2人で書いて、英語詞は新田くんが書いて。それ以外は私が書きました」
●ジャム形式で作曲するって聞くと、なんか難しそうなイメージがあるんですけど。
酒井
「その方法が一番やりやすかったというのが結論です。メンバー1人で作った曲もあるんですけど、なぜか残らないんですよ。でも、共同作業で作った曲はバランスがいいというか、そう感じますね」

本当にジャムってセッションで作っているので、
音像に対するイメージはみんな一緒なのかな

●“空間系ポップバンド”と呼ばれてるそうですけど、自分たちの中にそういう意識はありますか? 空気感を大事にするというか。
山崎
「多少あります、メチャメチャそれが強いわけじゃないんですけど、なんとなくこういう空間的なイメージの曲があったりとか。確かに、そういうイメージはありますね」
高橋「曲作り自体が、本当にジャムってセッションで作っているんで、はじめは本当に自由に弾いてて。ちゃんと音を聴きながら演奏しているので、ベースが高い音域へ移行したらギターが低い音域を支えてくれるし、ギターが高い音域に移行すればベースが支えるし。助け合うというか、音像に対するイメージはみんな一緒なのかなって」
畠山「そんなに話し合うこともないんですけど、演奏していく上でちょっとキックの音を大きくしちゃったりとか(笑)。私が自由気ままに叩いても、高橋くんが合わせてくれたりするので、演奏していく上でだんだんパターンが決まっていく感じ」
●サウンドがクリアだから、歌声もすごくキレイに抜けるというか。
山崎
「もともと私、そんなに肺活量とかあるほうじゃないし、声量もそんなに大きいほうじゃないんです。だけど、それを上手い具合にカヴァーしてくれて、ヴォーカルが立つようバランスを取ってくれていると思います」
●初の本格的なレコーディングということで、学んだ部分も多かったんじゃないですか?
酒井
「ありましたね。音の作り方とか弾き方とか。今まで、指先で音のニュアンスが変わるって意識したことなかったんですけど、“こんな変わるんだ!”って思いました」
高橋「僕もギターと同じで、音作りについて学んだっていうか。もっと時間をかければもっといい作品ができるなと思ったので、次のレコーディングがすごく楽しみ。事前にもっといろいろ試して、楽器も本当に細かいところまで気にしたいというか」
畠山「中・高校と吹奏楽部でドラムをやってたので、指揮者に合わせなくちゃいけないじゃないですか。今回、クリックを聴きながらレコーディングしたんですけど、クリックの“カッツン”ってリズムに“合わせなきゃ合わせなきゃ”って、ずっと思ってて。でも、それじゃ全然みんなと混ざってなかったので、“カッツン”の音を小さくしてみんなの音を聴くようにしたら、いいテイクが録れたんです。その概念を取っ払うのが大変だった」
山崎「今回が初めてのレコーディングだったので、“どういうペースで録っていくんだろう?”って見えなかったものが“あぁ、こうやって録っていくんだ”ってわかって。それプラス、やっぱりマイクを通して声を入れるので、いつも以上に感情的に歌ってちょうどいいというか。私の中では、まだ“歌っているだけ”って感じなので、もっと感情的に歌えるんじゃないかなと思って、それが勉強になりました」
●でも、初めてのレコーディングとは思えないクオリティですよね。土台がしっかり構築されているというか。
酒井
「“せーの”で録って、“ドラムOK、ベースOK”みたいな(笑)。そんなに深く煮詰まるってことはなかったですね。けっこうスムーズと言えばスムーズでした」
高橋「ちょっと補足をすると、今回のレコーディングは“楽しくやろうよ”っていうテーマだったんですよ。しかも合宿形式でもあったので、7日間あったレコーディング期間のうち、実質3日間で全部録れちゃったんです。それぐらい楽しみながらサクサク作業できたので、音の厚みっていう点も、スタッフやエンジニアさん含め盛り上がれたのが大きかったかな。だから僕たちも大きなストレスなく、むしろ自分を見つめることに集中できた。それがサウンドにも影響しているというか」

自分の気持ちを言葉で伝えるのが苦手なんです。
だから、このアルバムで1人でも多くの人に思いが伝わればなって。


●「リトルカブ」で言うと“フワフワした雲”や“空の色”など、歌詞の世界も情景的というか色彩豊かですね。
山崎
「この曲は、私と畠山さんの2人で作詞を。クルマや原付で走っているときのイメージと、まったく違うイメージを混ぜて。歌詞の中に“苦い排気ガス”という言葉があるんですけど、これは本物の排気ガスじゃなくて、モヤモヤした思いとか心の気持ちをイメージしてるんです。言葉の断片をうまく混ぜる感じで」
畠山「私は、言葉を文章にするのがとっても苦手なので、“甘い”とか“苦い”とか“匂い”とか、そういう単語をパッパッて書いて、そこから連想するものを描く感じ」
●楽曲に関しても、聴くたびに新たな発見があるというか。“あ、こんなとこに音が入ってたんだ”ってワクワクさせてくれるし、音で遊んでる感じが伝わってきますね。
新田
「そうですね。最後に収録されている『再生』は特にそうなんですけど、音の壁というか音の空間に浸ってもらえればなと思ってます」
畠山「私も個人的に『再生』が好き。ライヴでも音源でも、現実逃避じゃないですけど、破壊的な部分もありつつ山ちゃんのかわいらしい声が混ざり合って」
高橋「楽曲の個性がそれぞれ違うので、最後まで通して聴いて“もう一度聴いてみよう”って思ってもらえれば本当にありがたいです。今回は初めてのレコーディングだったので、何も考えなかったって言ったら変ですけど、何でもアリな気がしたし、全体の混ざりもすごく面白いと思う。現在制作している楽曲に関しても、さらに奥行きを増したというかいろいろとやれているので、自分たち的にもすごく楽しみです」
酒井「女子高生とか、すごい好きになってくれる作品だと思うんです。そういう子が聴いて“こんなアルバムもあったんだ”って思ってくれたら嬉しいし、これがいろんな音楽を聴くキッカケにもなってくれたらいいですね」
山崎「普段、自分の気持ちを言葉で伝えるのが苦手なんです。だから、このアルバムを通して1人でも多くの人に思いが伝わればなって」
●本当のスタートラインに立ったわけですが、2006年はどんな1年にしたいですか? 
酒井
「まだひと握りの人にしか聴いてもらってないので、とにかくたくさんの人に聴いてもらいたいです。どんな反応があるのか楽しみですね」
山崎「名古屋を中心に活動しながら、これからも東京と大阪は廻っていくので、いいライヴをたくさんしてplingminの音楽を伝えていきたい」
高橋「とりあえず、ライヴに来てほしいっていうのはあります。基本はジャムったりセッションしてるバンドだから、CDでキレイに聴けてもライヴだとイメージが変わったりするだろうし。今年で大学も卒業なので、音楽ひとつで頑張ろうという気持ちです!」



プリングミン/メンバー写真左から、畠山結花里(Dr)、高橋啓泰(Ba)、山崎麻由美(Vo)、酒井俊輔(Gt)、新田智彦(Gt)。04年3月、名古屋芸術大学の同級生で結成。05年、デモ音源「みずいろ」がハイラインレコードの自主盤チャート1位を獲得する。ライヴは2/28(火)名古屋アポロシアターにて“plingmin ミズノイズレコ発イベント「uwanosora」”。4/14(金)からはPaperBagLunchbox、メカネロと東名阪ツアーも決定(詳細はオフィシャルサイトhttp://www.plingmin.jpにて)。