(食欲とジャズは)密接に繋がってると
思います。たまにステージで実際に
チャーハン作ったりもするんですよ

●ステージパフォーマンスの話なんですけど、以前ワンマンでカップラーメンの評論というか(笑)。あれは、あの時だけですか?
伸太郎
「あの時だけですね」
●なぜ、それをやろうと?
伸太郎
「思い付いちゃったんですよね」
●普段から個人的にああいうことをやっていて、メンバーが面 白がったから、とか?
伸太郎
「個人的には、メンバー全員ぐらいの勢いでやってますね」
Coh「“食”への欲望っていうのが、ジャズだよね」
伸太郎「ジャズジャズ」
Coh「食欲のない奴はダメですね」
伸太郎「密接に繋がってると思いますね。たまに、ステージで実際にチャーハン作ったりもするんですよ」
Coh「曲中でね」
伸太郎「ずっと演奏してる最中に、中華鍋を温め出して、煙がモクモク立ってるところに油入れて、ネギ、チャーシュー、卵、メシ入れて、ガーッって皿に盛って、また鍋に戻して以上、みたいなね(笑)。その曲の後は、ステージは滑るわ、ゴマ油の臭いはするわ、緊張感ゼロですね。終わったあと、食いますけどね(笑)」
●そういう発想は、どこから?
Coh
「やりたかったんですよ」
●深い考えは、ない?
伸太郎
「ないですね」
Coh「基本的に小学校3年レベルだよね」
伸太郎「そうだね。あんなのやっちゃおうぜ、みたいな。いいね、面 白いね、じゃあ俺は中華鍋、みたいなね」
●それに近いことで、他にもネタはあるんですか?
伸太郎
「焼きそば作ったことがある。あと、1人いなくなったと思ったら、ステージの横のほうで、ずっと三点倒立してたりとか。それをやってるのは知らなかったんですけどね。本当にいなくなったと思ってて、その曲の後のMCで“1人いなくなったけど…”ぐらいのことを言ってたら、ずっと横で三点倒立を(笑)」
●それは、その人の個人判断でやってるんですよね?
伸太郎
「そうですね。まったくの個人判断です」
●それは何なんですか? たとえば客が少なくて盛り上げにくい中で、バンド内に刺激を与えようとしている、とか?
Coh
「そういう発想はないね」
伸太郎「自分の中に閉じこもっちゃった形なんで(笑)」
●ちなみに、それはバリトンの人ですか(笑)?
伸太郎
「そうです」
●ベースとかは、やりようがないですよね。演奏休まれちゃうと困りますもんね?
伸太郎
「でも、ベースは1回トランペットを吹いたことがありますね(笑)。ベース置いて楽屋に入ったなと思ったら、トランペット持ってきて何もやらずに、また普通 にベース弾いてましたけどね(笑)」
●誰のトランペットなんですか?
伸太郎
「それは、この人(Coh)のです」
Coh「タケオがバカなんですよ。自分のイメージビデオを作っちゃったりしてる奴なので」
伸太郎「しかも、タイトルが“色男”(笑)。“3ヶ月かかったったい”って(笑)。オチも何もないので、すごくさっぱりしにくいんですけど(笑)」

客を喜ばせようとは、あまり思ってないです。
自分たちがやりたかったってだけですから

●今のバンドで身を立てたいという目標はありますか?
伸太郎
「ありますね」
●生活のために別で仕事をしながら、今みたいに音楽活動がやれればいい、というわけじゃないんですよね?
伸太郎
「じゃないです」
●でも今は、みんな生活のために仕事もしてる?
伸太郎
「そうですね」
●その仕事は一生やっていこうと思ってやってるわけじゃない、ということ?
伸太郎
「じゃないですね。クソ食らえな感じです(笑)」
●普通のライヴバンドがやるような、いわゆるツアーみたいなのって、あまりなかったですよね? それは、みんなが定職を持っていて、ツアー出っ放しにできないという事情があるのかなと、勝手に想像してたんですが?
伸太郎
「前回の『Blood-est!』発売の時は、2回に分けてたんですけど、最長で10日間以上とか周ってたりっていうのは、やってますね。でも今回は、あれはもうイヤだなってことで、なるべく分散させて組むようにしてるんですけど(笑)。だから今回の『Back Drop Swing』のツアーは、(出っ放しは)最長で4日間です」
●何ヶ所ぐらい?
伸太郎
「今回は7ヶ所かな。愛知(安城市)、熊本、大分、大阪、広島、郡山、東京。で、11月に入って豊橋(愛知)と浜松(静岡)が入ってくるかもしれないって感じですね」
●北は郡山まで?
伸太郎
「そうですね。群馬のほうは行ったりするんですけど、今回ちょっとタイミングが合わなくて、仙台という話もあったんですけど、スケジュールが合わなくて。いい機会があれば行きたいなと思ってるんですけどね」
●音楽シーンのほうは、3年前に比べたら全然ブラサキの受け入れる体制が整ってきてるというか…。
伸太郎
「そうですね。目指せ大金持ちですからね(笑)、冗談ですけど」
Coh「小金持ちぐらいで(笑)」
伸太郎「そっちのほうが現実的でイヤだな」
●いちミュージシャンとして、それぞれの個人的なテーマとか目の前の目標とか、将来の夢とか。あとバンドとして、というあたりで締めていただこうかなと。
Coh
「始めるキッカケもそうだったんですけど、2人ともすごくジャズが好きなんですよ。でもカッコいいジャズが、ないんですよ。レコードとかにはあるんですけど、やる人っていうのはゼロに等しいんですね。アメリカにすら、あまりいなくて。だから俺らしかやる人間がいない、という自負はありますね。だから、本当はジャズはカッコ良くてヒップだよってことを、もう若干広めたいですね」
●今日話をしていて僕も思ったんですけど、その昔の人ですらバンド名ってあまりないですよね。グループでも、何とかトリオとか何とかカルテットとか。人名ではないバンド名で、スタイリッシュで音も熱くてカッコいいっていうのは、なかなかないですよね。
Coh
「ジャズでは'50年代ぐらいから、なくなったんですよね。それ以前は、あったんですけど。だから、レギュラーグループだけで出せる音とか厚みって絶対あるから、それは伸太郎にもいつも言ってるけど、バンドであるというのはデカいですね」
伸太郎「セッション性の高いジャンルではあると思うんですけど、あくまで僕たちはバンドサウンドとして、同じ曲を同じメンバーで何度も演奏して、セッションのミュージシャンでは出せない、バンドの凄みみたいなものを出していきたいですね」
●で、なおかつ面白くて楽しくて。
伸太郎
「それはもう、自分たちに余裕があった時に。客を喜ばせようとは、あまり思ってないです。自分たちがやりたかったってだけですから」
Coh「やっちゃダメかな、みたいな(笑)」
●もしかすると、お客を楽しませなきゃって考えた結果 、そうなってるんじゃなくて、本能とか思い尽きでやっちゃってるから面 白くなってるのかもしれませんね。
伸太郎
「あまり考えすぎると、逆に説明くさくなっちゃうので。思ったらそのまんま、その日まで考えずにその日やるだけにしておいたほうが、どうやらいいみたいですね(笑)」
●それもジャズ(笑)。あと言いたかったのは、ジャックナイフはリーダーが絶対的リーダーってタイプだったから気付かなかったんですけど、いざ伸太郎さんがリーダーをやってみたら、すごいリーダーシップを発揮したんだなってことで。そういう才能もあったんだなぁ、と。
伸太郎
「黙って俺に付いてこい的なやり方は、僕にはできないし、もちろん他のメンバーが全員20代とかだったら、そういうやり方もあるんでしょうけど、そんなことやったら“ふざけんな”っていうメンバーばっかりなので。僕は、リーダーという役目を担った6人いるメンバーのうちの1人と思ってます。だから、なるべく他のメンバーに口を開いてもらって、と思ってますね」
●リーダーシップだけじゃなくて、しかも面 白い人だったというギャップもすごかったけど。
Coh
「実は、こんなもんじゃないですよ(笑)」


2nd Album
『Back Drop Swing』

blue balls records /
UK PROJECT UKCD-1110
8月25日リリース 2,415円(税込)
《収録曲》
1.意外とモロッコ
2.Spin Around
3.L-O-V-E
4.Back Drop Swing
5.Talk Of The 52nd
6.帝(ミカド)
7.Hiasobi
8.Corn's A' Poppin'
9.Love Song

『Back Drop Swing』発売記念ツアー
9/19(日)安城夢希望レディオクラブ
9/24(金)熊本ジャンゴ
9/25(土)大分かんたんクラブ
10/10(日)大阪ミューズホール
10/12(火)広島ジャイブ
10/16(土)郡山ヒップショット
10/23(土)赤坂ビーフラット
問blue balls systems 090-9952-8605 http://www.nekachimo.com/bloodsax/


●HMV渋谷のイベントスペースはジャズフロアに併設されていることもあり、ブラサキは知らないジャズファンやR&B系っぽいギャルたちも釘付け! 普段はステージ内のメンバー同士にしか聞こえないような声も聞こえてくる、生々しくも熱いライヴでした。一方、ミニライヴに対するビッグサイン会は、何ともアットホームな雰囲気。ところでこのHMV渋谷では、ウィークリーインディーズチャートでブラサキの新作『Back Drop Swing』が、何と1位を獲得しました!! オメデトウゴザイマス!!